国境なき医師団
 

新型コロナウイルスの流行への
国境なき医師団の対応について
 
国境なき医師団(MSF)の活動に日頃よりご関心をお寄せくださり、誠にありがとうございます。
新型コロナウイルスの感染拡大により、医療援助団体であるMSFの活動にも影響が出てまいりました。
それに伴い、現時点での新型コロナウイルス対応についてご報告いたします。これらの活動は、日頃から皆さまよりいただいているご支援により可能となっています。感謝申し上げます。
アジアから欧州にも急速に広がっている、新型コロナウイルスの流行。MSFは中国本土や香港に続いて、特に感染が拡大しているイタリア、ギリシャで活動を開始しました。
同時にMSFは、感染症に対して無防備な環境に置かれている人びとへの感染拡大を危惧しています。医療システムがぜい弱で、衛生設備が整っておらず、基本的な医療すら十分でない、例えば、バングラデシュの難民キャンプや、イエメンやシリアといった紛争地など、MSFが援助活動を展開しているような地域への影響を注視し、すぐに活動を開始できるよう態勢を整えています。
また、感染拡大により、医療物資が新型コロナウイルスへの対応に集中してしまうと、人びとにその他の医療が行き渡らなくなることが考えられます。MSFではそのような状況を防ぐことも重要だと考えています。

活動ダイジェスト
発生から3月上旬まで
流行による影響などを注視しながら、中国への物資提供や、香港、その他アジア各国での、医療従事者や、社会的に弱い立場に置かれている人びとへの健康教育を実施してきました。
過去の活動詳細や最新情報については、3月18日発表の活動ニュースをご覧ください。

カンボジアで医療スタッフを対象に行った研修。防護具の着用方法などを伝えた © MSF
イタリア北部
中国に次いで多く感染が確認されているイタリア。MSFは、流行の中心地である北部の4つの病院を支援して、感染予防と、患者の治療に取り組んでいます。
MSFのチームには、感染症の専門家、麻酔科医、看護師、ロジスティシャンなどがいて、それぞれの専門家が、世界各地の活動地で感染症に対応した経験を生かしています。
MSFイタリアの会長であり、感染症専門家のクラウディア・ロデサニはこう話します。
「医療者たちは、数週間、この異常な状態の中休まず精力的に働いています。患者の治療を続けるために、現地の病院はさらなる労働力の支援をとても必要としています。私たちは彼らをサポートすることで、患者さんを支えていきます」
「ウイルス感染を食い止めることが重要です。また、前線に立って感染症と闘う医療スタッフの感染リスクを最小限にすることが大事です」。イタリアでは、すでに1700人の医療従事者の感染が確認されています。(3月12日時点)
ギリシャ
アフリカや中東などの各国から、命がけで地中海を渡る人びとの多くが辿り着くのは、ギリシャの島々です。ここでは、入国を待つ多くの人びとが不衛生な難民キャンプに暮らしています。
モリアにある難民キャンプには、1300人に一つしか水道の蛇口がなく、石けんがないところもあります。このような環境ではウイルスのまん延を防ぐことが困難です。そのため、MSFは、人びとを早急に適切な居住地に移送すべきという声明を発表しました。
MSFは、ギリシャの疾病対策センターと連絡を取り、情報共有や感染対策の方法を模索しています。
そのほか、活動の詳細
新型コロナウイルスに関する、MSFの活動に関する現時点での最新情報はこちらのページをご覧ください。


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