海外派遣スタッフの声

現地の若手医師たちに外科技術を指導:吉野 美幸

ポジション
外科医
派遣国
コンゴ民主共和国
活動地域
ルチュル
派遣期間
2017年6月~2017年8月

MSFの海外派遣に再び参加しようと思ったのはなぜですか?また、今回の派遣を考えたタイミングはいつですか?

前回のイラクの活動から帰って約3週間の休暇を取っている際にオファーがあり、ビザの準備が整った時点で出発となりました。

派遣までの間、どのように過ごしましたか? どのような準備をしましたか?

約1年ぶりのフランス語での活動となるため、フランス語を思い出すように復習しました。
また、以前のコンゴ民主共和国の活動で覚えたスワヒリ語もちょっぴり復習しておきました。

過去の派遣経験は、今回の活動にどのように活かせましたか? どのような経験が役に立ちましたか?

2016年、2015年と同じルチュルの活動に参加していたので、病院のシステムなどは理解できており、スムーズに活動を開始することができました。森の中のキャンプ生活にも慣れてきて、ヤモリ(トカゲ?)が出てきてもあまり気にならなくなりました。

今回参加した海外派遣はどのようなプロジェクトですか?また、具体的にどのような業務をしていたのですか?

帝王切開でとりあげた双子の赤ちゃん 帝王切開でとりあげた双子の赤ちゃん

コンゴ民主共和国の東部にある北キブ州ルチュルという山岳地帯の総合病院での活動でした。MSFは10年以上この病院を運営してきていましたが、2017年末で現地の保健省に引き継ぎをすることが決まっています。

私が派遣された6~7月も引き継ぎ作業の途中で、MSFスタッフの人数を減らしており、保健省の新しいスタッフに外科手技を教えて、今後の病院を任せられるようにトレーニングするのも私の役目でした。

主な症例は銃創と交通外傷が多く、その他に熱傷、帝王切開の合併症(5度目の帝王切開のママもぞろぞろいます!)などに対応しました。またマンゴーの実るシーズンであったため、実を取ろうとして木から落ちる人が続出していました。

外国人派遣スタッフは、外科医3人(整形外科・一般外科の区別なく、<何でも切る>係です)、看護師長1人、プロジェクト・コーディネーター1人、病院マネジャー1人、医療チームリーダー1人、薬剤師1人、ロジスティシャン数人、アドミニストレーター数人が働いていました。

派遣先ではどんな勤務スケジュールでしたか? また、勤務外の時間はどのように過ごしましたか?

外科と麻酔科のチーム 外科と麻酔科のチーム

毎朝7時30分からセキュリティーに関するミーティングがあり、7時45分に病院へ車で移動。1~2人の外科医が手術室と病棟回診に分かれて夕方5時まで勤務。その後、当直の外科医1人が翌朝8時まで勤務という体制でした。

予定手術は1日10件前後あり、その他に緊急手術を数件行いました。毎週金曜日には外科麻酔科カンファレンスを行い、困難症例の相談や死亡症例のふり返りなどをしていました。

本来外科医が4人いるはずの勤務体制でしたが、1人不足しており、交替などもあったため、朝8時~昼1時まで勤務していったん宿舎に帰り、また夕方5時~翌朝8時まで当直する、という日当直を1日おきにしていた時期もありました。

現地での住居環境についておしえてください。

「森」の宿舎に同居している癒しネコ 「森」の宿舎に同居している癒しネコ

病院から車で約15分の場所にある宿舎に約20人の外国人スタッフが生活していました。森の中のキャンプ生活であることは2016年と変わらず、「シャワー室」も相変わらず「水はけのよい部屋」でしかなく(笑)、バケツと手桶でシャワーを浴びていました。

2016年と少し違ったのが、ルチュル付近の道路の状況がさらに悪くなっていた点でした。前回も道路は舗装されてはいませんでしたが、今年になっても道路はまったく改修されておらず、さらに土が削り取られたせいかひどいデコボコ道で、スキー競技のモーグルの斜面を思わせるような道路になっていました。

活動中、印象に残っていることを教えてください。

現地の若い女性医師を指導する筆者(写真右) 現地の若い女性医師を指導する筆者(写真右)

MSFは2017年末にルチュル総合病院から引き上げることが決定しており、病院は現地の保健省スタッフに引き継がれることになっています。手術室スタッフも同様に新旧スタッフが混ざっており、引き継ぎのためのトレーニングをしている最中でした。

もうすぐ契約終了になるスタッフが多く、その後の就職先が決まらず生活の心配をしているスタッフもいました。明らかに彼らのモチベーションは下がっており、医療ケアのレベルを維持するのに努力を要しました。

外科チームについては、MSFが去った後は、現地の外科トレーニングを受けた総合医(つまり外科医ではない医師)のみが残って外科治療を引き受ける事になるため、2人の若手総合医に対して外科集中トレーニングを行っていました。彼らは新しい技術を学ぶモチベーションが高く、海外派遣スタッフから少しでも多くの事を学ぼうとする姿勢がみられました。

現地の若手医師たちと過ごす時間が長く取れたため、いろいろ話す機会があり、とてもよかったです。以前はフランス語が上手く話せず難しかったことも、少しずつ伝えられるようになってきました。

また、これまで「自分が何をできるか」を考えて活動してきましたが、今回はより、「自分は現地の人たちのために、何を残せるか」を考えるようになりました。自分が伝授した技術や知識が、若手医師たちを通して現地に残っていくことを祈ります。

今後の展望は?

約2~3週間は日本で休暇を取り、また次の活動に行く予定です。

今後海外派遣を希望する方々に一言アドバイス

語学に自信がなくても、文法が完璧でなくても、「伝えたい」という情熱と、とびきりのスマイルがあれば、気持ちはきっと伝わります。

MSF派遣履歴

派遣期間
2017年4月~2017年6月
派遣国
イラク
活動地域
ニネワ県カイヤラ
ポジション
外科医
派遣期間
2016年8月~2016年9月
派遣国
中央アフリカ共和国
活動地域
バンギ
ポジション
外科医
派遣期間
2016年6月~2016年7月
派遣国
コンゴ民主共和国
活動地域
ルチュル
ポジション
外科医
派遣期間
2016年4月~2015年5月
派遣国
イエメン
活動地域
アデン
ポジション
外科医
派遣期間
2015年8月~2015年9月
派遣国
中央アフリカ共和国
活動地域
バンギ
ポジション
外科医
派遣期間
2015年6月~2015年7月
派遣国
コンゴ民主共和国
活動地域
ルチュル
ポジション
外科医
派遣期間
2014年7月~2014年8月
派遣国
パレスチナ
活動地域
ガザ
ポジション
外科医
派遣期間
2014年4月~2014年6月
派遣国
パキスタン
活動地域
ハングー
ポジション
外科医
派遣期間
2013年6月~2013年10月
派遣国
アフガニスタン
活動地域
クンドゥーズ
ポジション
外科医
派遣期間
2013年4月~2013年6月
派遣国
パキスタン
活動地域
ハングー
ポジション
外科医
派遣期間
2012年8月~2012年9月
派遣国
パキスタン
活動地域
ハングー
ポジション
外科医
派遣期間
2012年6月~2012年7月
派遣国
パキスタン
活動地域
ハングー
ポジション
外科医
派遣期間
2012年4月~2012年5月
派遣国
ナイジェリア
活動地域
ポートハーコート
ポジション
外科医

この職種の募集要項を見る