海外派遣スタッフの声

南スーダンで子どもたちに医療を提供:南 希成

ポジション
小児科医
派遣国
南スーダン
活動地域
アウェイル
派遣期間
2014年11月~2015年2月

MSFの海外派遣に再び参加しようと思ったのはなぜですか?また、今回の派遣を考えたタイミングはいつですか?

6年前の前回派遣(ナイジェリアで栄養不良児の治療プログラム)がとても充実していたため、もしまたチャンスがあれば参加したいとは思っていました。しかし実際仕事の都合をつけるのは困難でした。

今回は2014年夏ごろ、事務局から「短期派遣でも構わないから参加しないか」という案内をいただき、積極的に検討し始めました。

派遣までの間、どのように過ごしましたか? どのような準備をしましたか?

熱帯医学のハンドブックを購入し、MSFの診療ガイドラインにざっと目を通しました。実は、当初はシエラレオネに派遣予定だったため、シエラレオネに関連した書籍を1~2冊読みました。派遣地が変更となり、直接役には立たなかったですが、参考にしました。

過去の派遣経験は、今回の活動にどのように活かせましたか? どのような経験が役に立ちましたか?

前回とは規模や活動内容が大きく異なりましたが、現場での基本的な生活環境とか、医療設備や内容、安全面の考え方などは変わりませんでしたので、適応しやすかったと思います。

今回参加した海外派遣はどのようなプログラムですか?また、具体的にどのような業務をしていたのですか?

栄養治療を受け、無事退院が決まった子ども 栄養治療を受け、無事退院が決まった子ども

南スーダン北部、アウェイルという街の州立病院で、MSFは小児部門と産科部門を運営しています。合計200床以上ある病院で、国外からの派遣スタッフは20~24人と大所帯でした。プログラム責任者、ロジスティシャンとアドミニストレーターが6人、医師が6~8人、薬剤師が1人、看護師が6~8人といった構成でした。

僕は小児部門のうち、一般小児病棟と栄養失調児の病棟を受け持っていました。僕のほかにもう1人、新生児・早産児病棟とICUを受け持つ小児科医がいました。担当患者数は合計40~50人程度で、内訳は栄養失調が約4割、髄膜炎やマラリア、結核などの感染症が約3割、糖尿病が約2割、あとは熱傷、骨折などの外科疾患でした。

個人的には、重症から軽症までマラリア診療を多数経験できたこと、結核(検査はほとんどできないため専ら臨床診断)の多様性と難しさを実感できたことが興味深かったです。ほかに破傷風、狂犬病など日本ではめったに見られない感染症を見る機会もありました。

一方、広範囲の熱傷(たいていは幼い子どもが家庭内で受傷)やひどい骨折(高木からの転落などによるもの)が次々と運び込まれ、なんて所だろう!と驚きました。

派遣先ではどんな勤務スケジュールでしたか? また、勤務外の時間はどのように過ごしましたか?

仲間との時間が息抜きに 仲間との時間が息抜きに

朝7時ごろ起床、涼しくて静かな時間帯が好きなので、ほかのスタッフより早く起きていました。8時半くらいから診療開始。昼にいったん昼食で帰宅して、午後は3時くらいから6時くらいまでの勤務でした。

オンコール制なので、夜中に病院の現地スタッフから呼び出されることもありますが、電話対応で済むことも多く、実際に時間外出勤しなければならないことは少なかったです。

たいてい、週末の1日は休みがあり、洗濯をしたり仲間とマーケットに買い物にいったりしました。あと、アウェイルでは毎週末、スタッフ有志でバレーボールとバドミントンをする習慣があります。誘われた当初は、あまりやったこともないので戸惑ったのですが、そのうちとても楽しくなり、欠かせないレクリエーションになりました。

現地での住居環境についておしえてください。

トゥクルが我が家 トゥクルが我が家

トゥクルという小屋が僕の部屋でした。電気は発電機があるので供給されます。水道もシャワーも使えました。トイレは汲み取り式です。インターネットは限られた場所でしかアクセスできず、しかも遅いため、メールをやり取りするくらいが精いっぱいでした。

活動中、印象に残っていることを教えてください。

熱帯地域でのクリスマス・パーティ 熱帯地域でのクリスマス・パーティ

上記の破傷風もそうですが、ほかに百日ぜきや細菌性髄膜炎など、ワクチンによって予防できる疾患も多く、内戦による医療・保健システムの不備によって子どもたちの健康が大きく損なわれていることを実感しました。

現地スタッフは皆、基本的に親切なのですが、中には、変にかたくななところやルーズな面があるスタッフもいました。相手の考えが理解できず、いらだってしまったこともありました。

派遣中の生活は長期間の合宿のようなものなので、時にプライバシーや静けさが確保できないこともありました。夜、ほかの仲間が遅くまで飲んでいる音には時々悩まされました。一方、たまたま派遣期間中にクリスマスを迎えたのですが、そのお祝いはかなり盛大で、プレゼント交換などとても楽しかったのは良い思い出です。

今後の展望は?

当面は元の勤務に戻って仕事に専念します。もしも1ヵ月など短期派遣のチャンスがあれば、仕事の都合をつけられるかもしれません。

今後海外派遣を希望する方々に一言アドバイス

行ってみよう!と思ったら飛び込んでみるのもひとつの考えです。ただし、自分は絶対これは耐えられない、ということが予想される場合は、それを我慢して参加するよりは、納得できる形で参加されるのをお勧めします。

英語については、仕事がこなせれば大丈夫だと思います。あと、どんな仕事でもつらいことはありますから、現地での生活を楽しもう、という気持ちも大事だと思います。

MSF派遣履歴

派遣期間
2008年7月~2008年11月
派遣国
ナイジェリア
プログラム地域
ヨベ州
ポジション
小児科医

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