海外派遣スタッフの声

現地の人びとと診察室で交流を深める:村上 千佳

ポジション
助産師
派遣国
イラク
活動地域
ニネワ
派遣期間
2015年11月~2016年8月

国境なき医師団(MSF)の海外派遣に再び参加しようと思ったのはなぜですか?また、今回の派遣を考えたタイミングはいつですか?

前回の活動中に、MSF日本のフィールド人事部のマネジャーから新規に母子保健・産科プロジェクトを発足させると聞いていて、その時期から参加を検討していました。

派遣までの間、どのように過ごしましたか? どのような準備をしましたか?

人工妊娠中絶とファミリープラン、そして性暴力被害者への対応の研修に行っていました。

過去の派遣経験は、今回の活動にどのように活かせましたか? どのような経験が役に立ちましたか?

イラクは2回目だったのでイスラム教徒が多い地域での過ごし方や注意すべきこと、イラクの祝日などを知っていたので活動計画を立てるのに役に立ちました。

今回参加した海外派遣はどのようなプロジェクトですか?また、具体的にどのような業務をしていたのですか?

巡回診療先で地域の女性たちと暴力について語る 巡回診療先で地域の女性たちと暴力について語る

新しく母子保健・産科プロジェクトを立ち上げる際になかなか保健省の協力が得られなかったので、プロジェクトの開設準備を進めつつ、国内避難民とその地域の人を対象にした移動診療を行っていました。

プロジェクトのスタッフ構成は、外国人派遣スタッフが5人(新プロジェクトのまとめ役、フィールド・コーディネーター、アドミニストレーター、ロジスティシャンと私)と、現地スタッフ(医師2人、看護師4人(うち1人は啓発活動の担当)、心理療法士とカウンセラー各1人、フィールド・コーディネーターの助手、運転手、コック、守衛などでした。

移動診療では、私は妊婦の健診、家族計画、婦人科の症例などを担当していました。他には上気道感染症、疥癬(かいせん)、糖尿病、高血圧、皮膚疾患などの症例がみられました。心理ケアが必要なケースも多かったです。

派遣先ではどんな勤務スケジュールでしたか?また、勤務外の時間はどのように過ごしましたか?

日曜日から木曜日が出勤日で金曜日と土曜日が休みでした。MSFスイス事務局のオペレーション・センターとスカイプでミーティングをするときには、休日の金曜日をミーティングの日に指定しないように頼んだことが何度もありました。

午前8時半にスタッフが出勤し、移動診療の準備をします。午前8時45分からセキュリティー・ミーティングがあり、その日に行く地域の安全を確認してから出発。近いところは車で15分、遠いところは1時間くらいかかります。午後3時半に移動診療を終えて事務所に戻り、後片づけと翌日の準備。錠剤を小分けにする作業を医師も看護師も含めてみんなで行います。その日にあったことなどを話し合ったり冗談を言ったりして結構楽しかったです。

午後4時半に医療スタッフが帰ります。医療スタッフは昼休みを取らないのでこの時間に終了しますが、事務スタッフは5時半まで勤務していました。私は4時半にご飯を食べて、その後、事務的なことを済ませます。午後7時くらいから時々、現地スタッフとバレーボールやサッカーをしていました。

現地での住居環境についておしえてください。

ドホーク事務所にて移動診療チームのメンバーと ドホーク事務所にて移動診療チームのメンバーと

ニネワでは事務所兼宿舎に住んでいました。外国人派遣スタッフには個室があり、水洗トイレとお湯シャワーもありました。週末は、ニネワともう1つのシリア人難民キャンプの2つのプロジェクトを総括する事務所のあるドホークで、派遣スタッフは3つの家に分かれて住んでいました。

イラクは産油国なのに電気の供給が安定していなかったので、ジェネレーターが大活躍していました。夏の夜にジェネレーターが壊れるとものすごく暑かったです(それがまたよく壊れる!)。2階に部屋があり夜中でも35度を超えていました。

活動中、印象に残っていることを教えてください。

女性たちが診察室の中で黒ヴェールをとっていろいろなことを話してくれました。

半身不随の夫とふたり暮らしの50代の女性は、過激派武装勢力「イスラム国」の兵士たちが家に来た時に「あなたたちに渡すものは何もない」と追い払ったことを打ち明けてくれました。

黒ヴェールを被っていてもマニキュアの色はすべて違う色にしている美容師さんが「今は避難中で目を付けられるから黒ヴェールをしているけど、自由になってモスルに帰ったらこんな黒ヴェールなんか被らない!」と言っていました。

昼間は「イスラム国」に攻撃される恐れがあるので麦畑の中の作業用のテントに避難し、夜になって家に帰宅するという農家の女性もいました。彼女たちには一刻も早く安心して暮らせようになってほしいと願っています。

今後の展望は?

3か月くらい休養を取り次の派遣(※)に行く予定です。

  • 2017年1月からコンゴ共和国での活動に参加

今後海外派遣を希望する方々に一言アドバイス

移動診療先の診療所でコミュニティーヘルスワーカー、看護師と広報の担当者 移動診療先の診療所でコミュニティーヘルスワーカー、
看護師と広報の担当者

体力をつけましょう。

MSF派遣履歴

派遣期間
2015年11月~2016年9月
派遣国
イラク
活動地域
二ナワ
ポジション
助産師
派遣期間
2013年12月~2015年8月
派遣国
ハイチ
活動地域
レオガン
ポジション
助産師
派遣期間
2013年5月~2013年11月
派遣国
イラク
活動地域
キルクーク
ポジション
助産師
派遣期間
2013年2月~2013年4月
派遣国
南スーダン
活動地域
ヌバマウンテン
ポジション
助産師
派遣期間
2012年3月~2012年10月
派遣国
南スーダン
活動地域
アゴク
ポジション
助産師
派遣期間
2011年9月~2011年11月
派遣国
リビア
活動地域
ジンタン
ポジション
助産師
派遣期間
2010年7月~2011年7月
派遣国
ハイチ
活動地域
レオガン
ポジション
看護師
派遣期間
2010年3月~2010年4月
派遣国
チャド
活動地域
ドバ
ポジション
看護師
派遣期間
2009年9月~2010年3月
派遣国
チャド
活動地域
アドレ
ポジション
助産師
派遣期間
2009年1月~2009年5月
派遣国
コンゴ民主共和国
活動地域
ブニア
ポジション
助産師
派遣期間
2005年4月~2005年10月
派遣国
コートジボワール
活動地域
ブアケ
ポジション
助産師

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