海外派遣スタッフの声

肌で感じることの重要さを感じた活動:目原久美

ポジション
内科医
派遣国
スリランカ
活動地域
バティカロア
派遣期間
2007年4月~2007年12月

なぜMSFの海外派遣に参加したのですか?

いろいろな国の文化、価値観の違いを体験したく、せっかくならどこにいっても何か人の役に立てる職業に就こうと思い医師になりました。

自己満足ではなく、効果的な援助を通して自分も納得できるプログラムに参加したかったので、歴史もあり世界中でプログラムを展開し、政治的にも思想的にも中立の立場を取るMSFを選びました。

今までどのような仕事をしていたのですか? また、どのような経験が海外派遣で活かせましたか?

日本で救命救急医をやっています。本当に医療が必要とされているところで働きたいと考えていたので、研修医の2年間は救急+内科、小児科、麻酔科、産婦人科をローテーションし、3〜4年目は小児科で研修を受けました。

活動地では子どもと妊婦を診ることは避けて通れなかったので、産婦人科で産科を中心に研修したことと、小児科での2年間の研修は非常に役に立ちました。

MSFに参加する前にロンドンで熱帯医学の短期コースを受講しましたが、熱帯医学全般について勉強でき英語の練習にもなったので、コースを終える頃にはMSFに参加することへの不安が期待に変わりました。

今回参加した海外派遣はどのようなプログラムですか?また、具体的にどのような業務をしていたのですか?

スリランカの紛争地帯で、国内避難民キャンプの移動診療を行いました。5つのキャンプを2チームで担当し、週に2〜3回のペースで同じキャンプを訪問しました。

はじめは検査も何もないところで診療し、処方や処置することに戸惑いましたが、すぐに慣れました。テントでの診療というと、目の前の人を必死で診るだけの雑然としたものだと思っていたのですが、カルテや医療統計、薬剤の記録などを日々きちんと行なっていくことで、患者さんのフォローアップや自分の行なった治療の結果を確認することが出来たので、日本で外来診療をやっているのと同じような感覚で働けました。

週末や休暇はどのように過ごしましたか?

週末はチームのみんなでビーチに行くのが唯一の楽しみでした。紛争地帯なので観光客は全然いませんが、観光地になってもおかしくないようなきれいな白砂のビーチを独り占めできました。

3ヵ月目の休暇は、山の中の静かなところでお寺などを見て回り、のんびりしました。

現地での住居環境についておしえてください。

一軒家を借りて7〜8人で住んでいました。はじめは部屋が足りなかったので、2人の相部屋でした。チームが大きくなり部屋が足りなくなって来た時に部屋数の多い家に移りましたが、作りかけの家だったので、部屋が出来るまで屋根で寝る人もいました。そういうことも楽しめるメンバーだったので良かったです。

毎日朝早くから夜遅くまで働いていたので、家のことについてそれほど不便に感じることはありませんでした。

まかないのご飯がすごくおいしかったので、毎日帰るのが楽しみでした。

良かったこと・辛かったこと

スリランカの人たちは本当に良い人ばかりで、いつもにこにこしているので本当に励まされました。再診日にもわりと約束を守って受診してくれるので、患者さんといろんなことを話して治療をすることができやりがいがありました。

MSFのチームメンバーにも恵まれ、経験のあるフランス人の看護師からいろんなことを教えてもらいました。

日本人の産婦人科の先生と一緒だったので、仕事のことから生活のことまで何でも話せたのでよかったです。

辛かったことは、派遣されていたのがちょうどお祭りの多い時期だったので、朝の5時から大音響でお寺の音楽がなり始め深夜まで続くことが数ヵ月に渡り、日曜日も静かに過ごせず参りました。

持っていったお味噌汁を前半で食べてしまい、帰る直前に辛い思いをしました。

デング熱予防のため虫除けを全身に塗り、さらに日焼け止めを塗った状態で、キャンプの中で砂嵐に吹かれているというひどい状態で働いていましたが、それにも次第に慣れてきました。

派遣期間を終えて帰国後は?

救急医として病院に勤務しています。
今後も日本と途上国を往復しながら、それぞれの良いところを吸収しながらスキルアップしていきたいと思います。

MSFのプログラムにはまた参加したいと思っています。

今後海外派遣を希望する方々に一言アドバイス

国内避難民キャンプのテントの暑さ、暗さ、湿度、匂い、砂の感触、焚き火の煙。

本を読むだけでは決して分からないこと、想像さえしなかったことを肌で感じることで、外国での紛争を他人ごとではない自分の問題として考えることが出来ました。

このような視点を与えてもらったことは、今後私にとって大きな財産になるだろうと思います。

「時間と情熱はお金では買えない」という言葉は、いつも私を後押ししてくれます。国際協力に興味がありこのウェブサイトを訪問してくれている方々が、最良の選択が出来ることを願っています。

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