海外派遣スタッフの声

プログラム立ち上げで超多忙、貴重な体験も:井田 覚

ポジション
ロジスティック・コーディネーター
派遣国
イラク
活動地域
クルディスタン自治区、スレイマニア
派遣期間
2007年5月~2008年2月

なぜ国境なき医師団(MSF)の海外派遣に参加したのですか?

今苦しんでいる人たちを直接助けたいからです。同時に、世界に飛び出て、いろいろな国と文化を自分の目で見て、体験したいからでもあります。異文化の人に出会い、お互いから学び合いながら、同じ目標に向かっていきたいです。MSFは高い思想を持ち、常に活動の為に新しい考えとアプローチを発展させながら、世界で起きている人道問題を訴え、人道援助の最先端に立っていると思います。さらに、MSFは高度な人材、経験と資力を持つため、効果的な活動をしています。そして、医療従事者でなくても、MSFなら活躍の場があり、いくらでも貢献できます。

今までどのような仕事をしていたのですか?どのような経験が海外派遣で活かせましたか?

MSFの活動に参加する前は、青年海外協力隊員として西アフリカのニジェールで2年間感染症対策活動をしました。その前には、製薬会社で新薬の研究をしていました。ニジェールでは医療従事者ではありませんでしたが、病院で働いて、医療、病院の運営、保健制度、公衆衛生などさまざまな課題にぶつかりました。さらに国際協力について、国際機関と受入国の政府機関や、途上国、異文化と厳しい環境で活動することも学びました。この時にプログラムを立ち上げて、人を雇い、チームを指導し、さまざまな人たちとコミュニケーションを取って交渉などをした経験が、MSFの活動現場で役に立っています。会社で得た問題分析・企画能力や社会人としての経験も活かしています。

今回参加した海外派遣はどのようなプログラムですか?どのような業務をしていたのですか?

イラク国内のきりがない戦いやテロで怪我をした人たちに、治療を提供するプログラムでした。具体的には、病院での整形外科手術、リハビリや精神的なケアを患者さんたちに行っています。他の病院の支援(物資や研修の提供)も開始しました。僕はいくつかの役割を果たしました。

  • ロジスティック・チームの立ち上げと指導
  • 水、電気(発電機を含む)の監理
  • 移動手段や通信手段の手配、設置と維持
  • 病院の建物の整備と改造、プレハブの建築
  • 詳細目録・財産資産目録の監理。購入制度の立ち上げと維持
  • 病院の安全面の管理
  • 住居探し、契約、維持
  • 倉庫探し、契約、維持
  • 輸入手順の立ち上げ、輸入許可の獲得
  • 外部(団体、国連、政府関係者、権力者など)との接触、関係作り、交渉、情報収集
  • チームの安全面を担当
  • 背景・状況分析

週末や休暇はどのように過ごしましたか?

パキスタン派遣時の井田ロジスティシャン

プログラムの立ち上げに係わって、人手不足だったので、週7日間働き、最後まで休暇も取れませんでした・・・僕の例は、緊急事態以外では例外的なものです。

他の派遣スタッフは、時間があれば市場で買い物をしたり、またはレストランや飲み屋に行っていました。週末は現地スタッフに招かれたり、逆に彼らを招いたり、時々許可を得て日帰りの(限られた)遠出もしていました。ただし、僕の派遣期間が終了した後に、治安上の理由から、業務理由以外の外出は禁止になったそうです。

現地での住居環境についておしえてください。

始めはテレビ、シャワー付きのホテルの部屋を2人で共用していました。その後、一軒家に引っ越し、途中まで部屋を共用しましたが、最後はチームが2軒の家に分かれ、1人1部屋になりました。住居環境は発展して、全部屋にエアコンが付き、1軒の家にはなんと風呂まで付きました。プログラムから離れる直前には衛星テレビとDVDまで取り付けられ、MSFの一般の住居環境と比べるとちょっと贅沢でしたが、ストレスが溜まるプログラムなので許されました。

良かったこと・辛かったこと

人手不足で、仕事量と責任が異常に多かったです。今回は仕事のやり方が合わない海外派遣スタッフも多く、ストレスにもなりました。
クルド人やイラク人と一緒に仕事をして、彼らの文化に触れたことも貴重な体験になりました。自分の目でイラクの状況を見て、争いで苦しむ被害者と直接接して感じたことや得た知識は、イラク国外にいたら分かりにくいことでしょう。厳しい状況で、いろんなハードルを乗り越えながら、チームが患者さんに医療治療を提供しているのは嬉しいです。僕個人的にも、新たな難しい環境で学んだことが多く、キャリアと今後の活動に繋げていきたいと思います。

派遣期間を終えて帰国後は?

今は充電中です。美味しい物やお風呂を楽しんでいます。久しぶりに映画を観たり、スポーツもしています。MSFでのキャリアを進める為、個人で人道援助の問題について勉強をしたり、MSFの事務局と連絡を取っています。

今後海外派遣を希望する方々に一言アドバイス

どんどん応募してください。世界が待っています。あなたの技術と知識を活かし、世界を自分の目で見て、異文化を経験しながら、人道援助活動できる機会はあまりないのではないでしょうか。そして、高い技術を持つ日本人の力を世界に見せて、貢献してください。

MSF派遣履歴

派遣期間
2005年10月~2006年6月
派遣国・プログラム地域
パキスタン・マンセーラ
ポジション
ロジスティシャン
派遣期間
2007年2月~2007年4月
派遣国・プログラム地域
スーダン・ニャムレル/アクエム/ワウ
ポジション
ロジスティシャン

この職種の募集要項を見る