海外派遣スタッフの声

見たこともないようなひどい症例も: 中嶋優子

ポジション
麻酔科医
派遣国
ナイジェリア
活動地域
派遣期間
2010年4月~2010年5月

なぜ国境なき医師団(MSF)の海外派遣に参加したのですか?

いろいろな国を見て、いろいろな体験をしてみかったこと。いろいろな人と出会いたかったこと。、そして、自分の専門を活かせる仕事ができるので!

今までどのような仕事をしていたのですか?どのような経験が海外派遣で活かせましたか?

大方、麻酔科ですが、救急総合診療も少しかじりました。体力と免疫力を鍛えておいて良かったと思います。

今回参加した海外派遣はどのようなプログラムですか?どのような業務をしていたのですか?

ポート・ハーコートにあるテメ病院。2007年4月撮影。

ナイジェリアのポートハーコートという街に国境なき医師団(MSF)のテメ病院外傷センターがあり、主に急性期の外傷患者を受け入れていました。交通事故、銃による傷、切り傷がほとんどで、毎日たくさんの手術が行われており、その麻酔を麻酔看護師2人と担当していました。

この外傷センターは、MSFの派遣地の中でも特に設備や物資が安定して供給されているところで、原始的ながらもちゃんと麻酔器がありましたし、そこまで大きな不便は感じませんでした。ただ、対象症例が、銃による傷や見たことのないひどい交通事故による傷、大型の鎌による刺し傷だったり、初めてのものが多かったです。病棟では、創部感染(傷口から細菌感染を引き起こすこと)が多く、やっかいな問題でした。

あとはER(救急処置室)での蘇生に呼び出されたり、現地スタッフに挿管*などについての指導をしたりもしました。

  • 気管に口または鼻から喉頭を経由して「気管内チューブ」を挿入を行う気道確保方法。

週末や休暇はどのように過ごしましたか?

外科チームは、短期の派遣なのであまり空き時間がなかったのですが、時間があるときは部屋でゆっくりしたり、近くのプール付きのカフェ/バーに、ほかの海外派遣スタッフたちと泳ぎに行ったりしていました。

現地での住居環境についておしえてください。

普通の5~6部屋くらいの2階建ての家2つに、海外派遣スタッフが合計10~12人住んでおり、それぞれシャワー、トイレ付きの一人部屋でした。冷房はなく、暑さは換気扇と扇風機でしのいでいました。食事は、日曜以外はコックさんが昼食と夕食(西洋とナイジェリアンのフュージョン料理)を作って、タッパーに入れておいてくれていました。

良かったこと・辛かったこと

テメ病院の内部の様子。2007年4月撮影。

良かったことは、普通できないような経験ができて、いろいろ勉強になったこと。世界中のたくさんの人と出会えたこと。なんだかんだいって、いろいろ楽しかったことです。

辛かったことは、昼食と夕食がビュッフェ形式だったので、忙しくて食事にありつくのが遅くなると、お腹はすごく空いているのにあんまり残っていなかったこと。シャワーの水がチョロチョロで、酸性だったのか毎回浴びたあとに身体がピリピリ痛かったこと。停電が多く、扇風機が使えないときは、ものすごく暑かったこと。あと、虫が多かったことです。

派遣期間を終えて帰国後は?

米国で救急医療の専門臨床研修を始めました。今後、救急医としても、MSFとかかわっていけたらな、と思っています。

今後海外派遣を希望する方々に一言アドバイス

体力、免疫力、適応力、鈍感力が大事です。「鈍感力」は、先に派遣されていた日本人外科医からいただいたアドバイスで、本当にそうだなと実感しました。全く違う環境に適応するのは少々大変かもしれませんが、それ以上の貴重な経験、出会いがあるので、興味がある方は是非挑戦してみてください。

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