海外派遣スタッフの声

プログラムの人事と財務を管理: 辻坂文子

ポジション
アドミニストレーター
派遣国
南スーダン
活動地域
アウェイル
派遣期間
2012年5月~2012年11月

なぜ国境なき医師団(MSF)の海外派遣に参加したのですか?

もともとMSF日本の広報部に勤務していた時に、人道援助活動の複雑さ・奥深さを知り、「いつかは現場で働いてみたい」と思ったことが根底にあります。

今までどのような仕事をしていたのですか?どのような経験が海外派遣で活かせましたか?

大学卒業後、MSF日本の広報部に勤務しました。広報部では、さまざまな広報資料の制作・編集、イベントの運営、ウェブサイトの運営などの業務に携わりました。その過程で「アフリカで生活してみたい」と思うようになり、ベナンで青年海外協力隊の活動に参加しました。

その後、人道援助活動を専門にしたいと考え、大学院でプログラム・マネジメントを勉強した後、MSFのフィールドでの活動にアドミニストレーターとして携わるようになりました。

MSF日本の広報部で働いた経験は、MSFという組織についての知識が身についたという意味でとても役にたちました。青年海外協力隊の経験は、どんな環境にでも適応できるという自信が持てた、異文化で生活・仕事をするとはどんなことか理解できたという意味で、役に立ったと思います。

今回参加した海外派遣はどのようなプログラムですか?どのような業務をしていたのですか?

今回は、スーダンと国境を接する北バハル・エル・ガザル州という地域の基幹病院で、母子医療を提供するとても大規模なプロジェクトでした。私の役割は、アドミニストレーターとして、2人のアシスタントとともに、プロジェクトの人事と財務を管理することでした。具体的には、ナショナルスタッフの募集、採用、評価の管理、給与の支払い、労働省との折衝、予算管理、会計業務、オフィスや家の契約管理などを行っていました。

週末や休暇はどのように過ごしましたか?

週末は、よく寝てよく食べ、気分転換をすることを心がけていました。都市部から遠い地域なので手に入る食材は限られていましたが、オクラや鶏肉で和食らしきものを作ったり、他のチームメンバーが料理をするのを手伝ったりすることが、いい気分転換になりました。

朝早く起きられる人は教会のミサに行ったり、ジョギングをしたりしていました。夕方、涼しくなる時間帯には、敷地内でバレーボールを楽しむ人たちもいました。

休暇は、タンザニアのザンジバル島に行きました。とてもきれいな海と久しぶりの魚介類を堪能し、リラックスすることができました。

現地での住居環境についておしえてください。

広い敷地に、トゥクルと呼ばれるスーダン式の小屋と、コンクリート造りの長屋風の建物があり、私はコンクリート造りの部屋に住んでいました。シャワーとトイレは屋外にあり、共同で使っていました。電気は夜中を除いて、発電機で供給されていました。

良かったこと・辛かったこと

同僚と一緒に宿舎の前で

尊敬できるスタッフに会えたことが、今回の活動でもっとも良かったことです。南スーダンの人びとは、数十年に及んだ紛争の影響を受けています。MSFで働く現地スタッフの多くも、それぞれが難民や避難民として暮らした辛い過去を経てきています。彼らはそうした苦しい日々のなかでも、難民キャンプなどでできるかぎりの教育を受け、仕事をする機会を見つけ、生活を築いてきたことに、尊敬の念を抱きました。

辛かったのは、仕事量が膨大だったことです。外国人スタッフが250人と多かったこと、マラリアと栄養失調の流行期が長く続き、患者数が前年の3倍にも上ったため、現地スタッフの採用ニーズが高かったこと、紛争の影響で教育を受けられる機会が少なく、資格を持った医療スタッフが少なかったこと、そして労働法などの法的枠組みが確立しておらず、すべてが交渉次第であることなどから、アドミニストレーターとして頭痛の種には事欠かない日々でした。

派遣期間を終えて帰国後は?

MSFの現場でアドミニストレーターとしてしばらく働いてきたので、少し視点を変え、国家の医療システムのマネジメント能力を強化するためのプロジェクトで働く予定です。

今後海外派遣を希望する方々に一言アドバイス

MSFの活動地は、程度の差はあっても、どこでも大変だと思います。業務量は常に多く、生活環境はとてもベーシックで、共同生活のストレスもあります。セキュリティ上の理由から、外に出る自由がない場所もあります。

そんな環境で、数ヵ月間から1年に及ぶ活動を充実したものにするためには、困難を楽しむ気持ちの余裕が必要だと思います。また、自分の仕事や生活がどんなに大変でも、そこでなぜMSFが活動しなければならないのかを考えることで、初心に帰ることができ、モチベーションを高く保てると思います。

MSF派遣履歴

派遣期間
2011年7月~2011年11月
派遣国
中央アフリカ共和国
プログラム地域
バンギ
ポジション
キャピタル・アドミニストレーター
派遣期間
2011年5月~2011年6月
派遣国
日本
プログラム地域
宮城県
ポジション
フィールド・アドミニストレーター
派遣期間
2010年12月~2011年3月
派遣国
ハイチ
プログラム地域
――
ポジション
フィールド・アドミニストレーター

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