仕事と海外派遣の両立

日本の職場の理解を得られる場合、短期間の休職期間等を得て海外派遣に応じ、派遣後は元の職場に戻って業務を続けるケースです。外科医/整形外科医、麻酔科医、産婦人科医などは、派遣期間が比較的短期であるため、このパターンを毎年続けている人もいます。

2003年 その他の活動:外科及び麻酔科(後期研修) 2004年〜2006年 その他の活動:心臓外科(後期研修) 2007年〜2009年11月 その他の活動:外科/国立病院(約400床) 2009年11月 MSFとの関わり:「応募」 MSF海外派遣スタッフへ応募 ベーシックな外傷と帝王切開の経験が不足しているという理由で書類審査通過せず 2010年4月〜2011年2月 その他の活動:外科/一般病院(約800床) 2010年11月 MSFとの関わり:「応募」 MSF海外派遣スタッフへ再応募、正式登録へ 2011年2月 MSFとの関わり:「研修」3日間 MSF日本主催の派遣前研修 Welcome daysに参加 その他の活動:同年2月末で勤務先との契約満了 2011年3月 MSFとの関わり:「派遣」2ヵ月 派遣国:ナイジェリア プログラム:MSFが運営する外傷センター 主な症例:交通事故、刺傷、銃創など 2011年5月 MSFとの関わり:新たな派遣可能時期をMSFへ連絡 勤務先及びMSFと日程調整し、勤務先から無給休暇を得て次の活動地への派遣が決定 2011年5月〜2011年9月 その他の活動:一般病院に外科医として勤務 2011年9月 MSFとの関わり:「研修」3日 MSF主催の外科ワークショップに参加 開催国:ドイツ(諸経費 MSF負担) 2011年10月 MSFとの関わり:「派遣」9日 派遣国:イエメン プログラム:外科 派遣直前にブリーフィングのため渡仏したものの、派遣地の情勢が悪化し、数日パリで待機した後、現地プログラム一時撤退の決定を受け帰国 2011年11月〜2012年2月 その他の活動:一般病院に外科医として勤務 2012年3月 MSFとの関わり:「派遣」1ヵ月 派遣国:パキスタン プログラム:救急・外傷ケア・産科救急を主とする複合プログラム 主な症例:交通事故や日常生活における事故による外傷、緊急帝王切開など 2012年4月〜2012年8月 その他の活動:一般病院に外科医として勤務 2012年9月 MSFとの関わり:「派遣」1ヵ月 派遣国:イエメン プログラム:病院支援 主な症例:日常生活における事故や、紛争による骨折、銃創、刺傷、熱傷、緊急帝王切開など 2012年10月〜2013年4月 その他の活動:一般病院に外科医として勤務 2013年5月 MSFとの関わり:「派遣」1ヵ月 派遣国:シリア プログラム:外科 主な症例:紛争による銃創、熱傷、刺傷、骨折など

本人からのメッセージ

私は、一般外科トレーニングの中で臓器損傷などの重傷患者の治療の経験はほとんどありませんでした。ですから、初回派遣の時は、派遣者の経験談を聞いていたものの、不安はぬぐえませんでした。しかし、現地での経験を、一つ一つ丁寧に反省し、経験を積み上げていくことで、飛躍的に力が付いてきます。きっとそれを実感することが出来ると思います。

日本ではCTなどのキレイな画像を頻繁に撮影する機会があります。身体所見や、手術所見とCT所見との詳細な比較を行い、一人一人の患者さんを振り返ることで、国内のがん診療でも、外傷に応用できる経験が得られると思っています。整形外科疾患の診療に不安を感じることもあると思いますが、救急外来で積極的に診察し、整形外科医と、ディスカッションを重ねるとよいでしょう。

海外派遣に参加するにあたり、国内での職場の上司や管理者に、自分の思いや今後の展望を伝えることも、磨くべき技術だと思います。海外派遣先でも、診療や日常生活の中で、自分の思いを伝える必要があります。私の場合、それらは決して、負担に感じるものではなく、むしろ、考えを共有することの大切さを実感してきました。多くの場合、海外派遣に対して理解と共感を得て、場合によっては強いサポートも受けることが出来ています。