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派遣スタッフの声

名和 正行 (イラン・メヘラン 麻酔科医)

今回の派遣

派遣期間:2008年2月~2008年5月
派遣国・プログラム地域:イラン・メヘラン
ポジション:麻酔科医

1.なぜMSFの海外派遣に参加したのですか?

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医療過疎地に貢献したいからです。

2.今までどのような仕事をしていたのですか? また、どのような経験が海外派遣で活かせましたか?

基本的には麻酔科医です。MSFの派遣に参加した後に、守備範囲を広げたくて総合診療の研修を受けました。

活動地では、生活も医療環境も日本とは全く違います。仕事よりも山歩きや貧乏旅行の経験の方が役に立ちました。

3.今回参加した海外派遣はどのようなプログラムですか?また、具体的にどのような業務をしていたのですか?

イランとイラクの国境にある町での救急医療、特にイラクからの外傷患者の受け入れが主な目的でした。公立病院の一角を借りての活動です。しかし混乱の中心であるバグダッドからは遠く、政治的な理由で国境を越えるのも困難なため、プログラムが開始してから7ヵ月間は開店休業状態でした。その後、プログラム内容にイラクからの「外傷後の四肢変形患者に対する整形外科治療」を追加したことにより、ようやくMSFとして患者を受け入れることができました。イラクからの最初のグループは7名、どの人も爆弾テロの巻き添えや某国兵士に不当に銃撃されたという戦争の被害者で、脚の変形や感染の合併症に苦しんでいます。

麻酔科医として上記の患者を手術時に管理するほか、MSF以外の業務で現地の一般外科・産婦人科医の手術時の麻酔に協力しました。

その他には、イラン・イラク戦争時の地雷が多数残っており、今も週に1度ほど地雷事故が起きています。約半数は即死するため病院にも来ませんが、搬送があれば救急外来での処置にも手を貸しました。

正直、今までで一番ヒマな派遣でしたが、一方で戦争をもっとも身近に感じたものになりました。

4.週末や休暇はどのように過ごしましたか?

近所の子どもたちとサッカーをしたり、料理や読書をしたり、トレーニングジムに通っていました。

5.現地での住居環境についておしえてください。

レンガ造りの近代的な豪邸でした。エアコン、衛星放送、温水シャワーが完備していました。小さい町ですが近所にインターネットカフェ、トレーニングジム、アイスクリーム屋まで揃っていました。MSFの派遣ではありえない待遇でした。電気や水道がない活動地に慣れていたので贅沢すぎるような気もしました。

6.良かったこと・辛かったこと

辛かった事は、時差ボケ(パリ経由で入国したため)、単身赴任、長期のルームシェアです。

7.派遣期間を終えて帰国後は?

再就職します。

8.今後海外派遣を希望する方々に一言アドバイス

以下はあくまでも私の体験と、医師の視点からのアドバイスです。MSFの採用基準とは関係ありません。

派遣により大差がありますが、一般的に生活環境は過酷です。潔癖症や好き嫌いが多い方はまず使い物にならないでしょう。ある活動地では部屋に虫はもちろん、ヘビ、ネズミ、サソリなども出没しました。

日本の医療は細分化されていますが、MSFでは専門外の事だらけです。患者の不利益にならない範囲で専門外の分野にも踏み出す積極性が必要です。そして専門外というのは、医療以外の業務、テント設営や物資の積み込みなども含まれます。

理由は参加してみればわかりますが、日本語のテキストは何の役にも立ちません。どうしても持参したい方も現地に置いてくることはやめてください。多くの人びとが1日1ドル以下のお金で生活している所に平気で数千円もするテキストを捨ててくるような感覚の持ち主に、人道援助をする資格はありません。

体力はある方がいいでしょう。自身の下痢や虫刺され程度は、歓迎の儀式だと思ってください。地震の救援活動に参加した時には、20㎏の医薬品を担いで山道を歩きました。スポーツでの交流も大切な業務だと思います。

医療や語学の能力も必要ですが、何よりも普段の価値観を捨てて現地に馴染む事が大切です。楽しくなければいい仕事はできません。

MSF派遣歴

  • 派遣期間:2004年6月~2004年10月
  • 派遣国・プログラム地域:ネパール・ルクム
  • ポジション:内科医・麻酔科医
  • 派遣期間:2005年5月~2005年6月
  • 派遣国・プログラム地域:インドネシア・シグリ
  • ポジション:麻酔科医
  • 派遣期間:2005年10月~2005年11月
  • 派遣国・プログラム地域:パキスタン・ハティアン
  • ポジション:麻酔科医
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