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「クリスチャンとママ」

(2009.4.15)

クリスチャンとママ

そう、坊やは2才なのよね。お兄ちゃんとお姉ちゃんが4人いて、コンゴ民主共和国のブカブに住んでいるのね。あなたのママは国連平和維持軍(MONUC)の通訳だったけど、パパの仕事はよくわからないわね。

ある日、あなたのママは病気になった。2~3週間後に検査を受けたら、結果は陽性。その後すぐに、ママは死んでしまった。噂では、嫉妬深い同僚に毒を盛られて死んだことになってる。でもママは死ぬ直前に、病気のことをパパとおばさんにこっそり打ち明けたのよ。

秘密

でもこのことを大声で言ってはだめ。コンゴで血清陽性と言うと、一生差別され、除け者にされてしまうの。パパも検査を受けたけど、大丈夫だったみたい。ママは出産のときに汚染された器具のせいで感染したのかもしれないって、おばさんは考えているのよ。

お葬式の後、おばさんは坊やと兄弟全員をMSFの診療所に連れて行って、検査を受けさせた。お兄ちゃんもお姉ちゃんも大丈夫だった。でも、坊やは感染していたの。ママと同じ血清陽性だったのよ。でもこのことは、パパとおばさんしか知らないの。

家を離れて

パパはもうひとりで全部を背負いきれなくなったの。5人の子どもたちを抱えて、お金はほとんどない。それでおばさんは、坊やに2~3年家に来て一緒に暮らそうって言ったのよ。坊やは来るのを怖がったけど、一番上のお姉ちゃんも一緒ならいいって思ったのね。

そのお姉ちゃんも、家に住んでいる従兄弟たちも、坊やの病気のことを知らない。おばさんは子どもたちに、一緒に遊んでいるとき誰かが転んで血が出ても、みんな血に触っちゃだめって言ったわね。他の人の場合も同じなのよ。

おばさんの背中で

坊やは学校に行くにはまだ小さいから、他の子どもたちが登校してしまうと、ソファにじっと座っているわね。おばさんに話すことはあまりないけど、おばさんが台所で用事を始めると、坊やはすぐに後をついてくるのね。おばさんも突然いなくなってしまうことを想像してしまう。だから布に包まれておばさんにおんぶしてもらうのが大好き。いつの間にかおばさんによりかかって眠っているわ。

食欲があまりないわね。もう何週間もゆで卵とマンゴージュースしか食べていない。それに風邪をひきかけているようだから、おばさんは心配しているのよ。こんなにちょっとしか食べないと、もっとお薬を飲まないといけなくなるかもしれない。

ひとりぼっち

従兄弟たちやお姉ちゃんが学校から帰ってくると、坊やはやっとまた口を開く。おじさんがごはんとキャッサバの葉を少し食べさせようとするけど、食べないので、おじさんはあきらめてしまう。おじさんも坊やがどんなに重い病気かをわかっていないのね。

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