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反政府勢力「神の抵抗軍」による市民への攻撃が拡大

(2009.10.28)

コンゴ民主共和国(以下、コンゴ)北東部に潜伏するウガンダの反政府勢力「神の抵抗軍(LRA)」が、コンゴ北東部オリエンタル州オー・ウエレ地方で暴力行為を開始してから1年が経過した現在、LRAによる市民に対する攻撃や政府軍との衝突は隣接するバ・ウエレ地方へと拡大し、数十万人が避難を強いられている。人道援助機関は、激しい攻撃にさらされるオー・ウエレ地方とバ・ウエレ地方の遠隔地での膨大な人道ニーズに対応できておらず、国境なき医師団(MSF)は、緊急に大規模な対応を行うべきであると訴える。

ウエレ川に架かる橋。北側にいるウガンダの反政府勢力「神の抵抗軍(LRA)」がまだ進攻してきたことがないため、南側に暮らす人びとはこの川に守られていると感じている。。
ウエレ川に架かる橋。北側にいるウガンダの反政府勢力「神の抵
抗軍(LRA)」がまだ進攻してきたことがないため、南側に暮らす人
びとはこの川に守られていると感じている。

2008年後半以降、オー・ウエレ地方とバ・ウエレ地方の市民は、LRAによる攻撃、そしてウガンダ・コンゴ政府の合同掃討作戦による激しい衝突に巻き込まれている。状況が悪化するにつれ、人びとが暴力行為に直面する事態になっている。

暴力行為と度重なる武力衝突はさらに拡大し、コンゴ北東部では東端のオー・ウエレ地方から西隣のバ・ウエレ地方、また、コンゴと隣接するスーダン南部と中央アフリカ共和国の東部でも発生するようになった。

ここ1年間で、暴力や戦闘により、数十万人が避難を余儀なくされた。継続する攻撃で数千人が避難所と安全を求めて町に集まってきている。オー・ウエレ地方のドルマの人口はおよそ3倍に膨れ上がった。ガングラとバンダには、それぞれ2万人以上の避難民が暮らしているが、援助を受ける術のない状態に置かれている。これらの地域では周囲の野原まで人があふれ返り、一方で村は空っぽの状態になっている。

「暴力行為は人びとに恐怖を植え付けるために行われています。私たちが受け入れる患者は本当に残虐な目にあっています。両親を殺害するよう命令された子どもたちや、生きた状態で自宅に火を放たれて亡くなった人たちがいるのです」
──MSFのアフリカ中部の活動統括責任者、ルイス・エンシーナス

バ・ウエレ地方のディンギラやオー・ウエレ地方のニアンガラといった場所では、MSFが現地で活動する唯一の団体である。ニアンガラでMSFのコーディネーターを務めるピエール・ケルネンは語る。

「この地域では毎日、新たな避難民が生まれています。彼らはこれまでにも幾度も命がけで逃げざるをえなかった人たちです。彼らは親戚の家や無人の建物などに身を寄せていますが、そこですら安全ではありません。MSFは医療と心理・社会面での援助を提供していますが、それでも限界はあります。このような人びとは食糧や清潔な水、避難所や適切な生活環境を必要としています」

治安の悪化と特に遠隔地域には道路がないため、MSFは物資や医薬品を輸送したり、スタッフが移動する際に、ほぼすべての活動地について飛行機を利用しなければならない。エンシーナスは次のように話す。

「人道援助をこの地域の人びとに届けることは、私たちにとって挑戦です。けれど、私たちは現在続く紛争が人びとに及ぼした人道危機に対して、さらなる援助を行う必要があり、またするべきであると信じています。人道援助従事者は、戦闘で被害を受け、これまでのところ顧みられていない地域でも、緊急に人びとのニーズに応えるべきだと思います」

MSFは現在、コンゴのオリエンタル州バ・ウエレ地方のディンギラ、オー・ウエレ地方のドルマ、ドゥング、ドゥル、ファラジェ、ニアンガラで活動しており、複数の病院や診療所において1ヵ月あたり約9000件の診察を実施している。MSFは武力衝突による避難民1万6000人に対し、救援物資の配布や予防接種、心理ケアを提供している。オー・ウエレ地方とバ・ウエレ地方のMSFのプログラムでは、現在、外国人スタッフ27人とコンゴ人スタッフ140人が活動している。

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