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性暴力の被害者に必要な心理的サポート

(2009.3.26)

ロール・ウォルマークは性暴力の被害者の治療を専門とする心理療法士である。現在、国境なき医師団(MSF)の一員として、コンゴ民主共和国オー・ウエレ地方のドゥング町で、ウガンダの武装勢力「神の抵抗軍(LRA)」が引き起こす暴力により心的外傷を負った人びとの治療を支援している。ウォルマークは以下のインタビューで、被害者にとって不可欠な心理的サポートの実施を困難にする、ある種の「覗き見主義」から患者を守ることの難しさについて語っている。

─ こうした暴力を体験した人びとに対して、MSFはどのような援助を行っていますか?

ウォルマーク:まず、暴行やレイプによる医学的影響について診察を行います。LRAから解放された人びとは、森林地帯の中で何の治療も受けられずに数週間、さらには数ヵ月の間を過ごしたため、負傷や感染症に苦しんでいる場合がしばしばあります。心的外傷に関しては、特に性暴力を受けた女性の場合、その程度があまりに深刻なため、個別に治療する必要があることは明白です。秘密保持を厳守して、被害者の女性が感情を表現できるスペース、感じた気持ちを自由に語れるスペースを提供することが必要です。

オー・ウエレ地方において、私たちは性暴力の被害者には秘密保持を伴った治療が必要であることについての啓発活動を行っています。こうした活動は、女性の立ち直りを支援するためには必須ですが、私が訪れた医療施設には、被害者がうちとけた雰囲気で話せる、このようなスペースは設けられていませんでした。

私たちが活動している病院のひとつで治療を受けた、ある若い女性の例です。彼女はLRAに誘拐され、数週間拘束された上、多くの兵士たちから日に何度も強姦されました。それ以来、尿失禁に苦しんでいました。この女性は絶えず病室に訪問を受けており、自身にとってなじみのないドゥング町の住民が大勢見舞いに来ていました。人びとは彼女を心配して、何が起こったのか知りたがりました。見舞客に対して、婦人科の検査は大勢の人の前でするものではないという私たちの考えを理解してもらうのが困難だったほどでした。

─ 治療で診察した女性たちは、体験したことをオープンに語ろうとしましたか?

ウォルマーク:ここでの問題は、長期間LRAに拘束されていた被害者に対して、誰もが強い興味を抱いていることです。被害者の出身地の住民だけでなく、ジャーナリスト、情報を求めにやって来た軍人、あるいはその他の見知らぬ見舞客もそうです。MSF自身も被害者の恐ろしい体験を世界に伝えるために証言を集めています。これは有益な活動に違いないのですが、証言者の精神状態を考慮して行わなければなりません。こうしたすべてが被害者への心理ケアを複雑なものにしているのです。

心理ケアにおける面談の際には、患者が感じていることを表現してもらうこと、話したいことを自由に話してもらうことが肝心です。こちらの意見を述べてはならないばかりか、発言の真実性を疑うそぶりを見せることは論外です。また患者が体験した暴力行為や、拘束時の状況について詳細に尋ねることも控えなければなりません。患者に語ってもらい、ただ聞いていなければなりません。

証言の収集はまた別の領域です。私が証言を聞いた女性は私の患者ではありませんでした。だからこそ可能だったのです。

─これまで様々な状況で暴力と性暴力の被害者の治療を行ってきて、オー・ウエレ地方の状況には何か特徴的な点があると思いますか?

ウォルマーク:オー・ウエレ地方の状況は、苦痛の内容において非常に特徴的です。数々の村で多くの人びとが虐殺を体験し、大勢が殺害され、あるいは誘拐されました。住民たちは常に新たな襲撃の不安と恐怖に満ちた雰囲気の中で生活しています。

さらに数ヵ月の間誘拐されLRAと共に長期間森林地帯の中で過ごした後に脱出してきた生存者もいます。悪夢のような環境に置かれ、森林地帯の中で数週間、あるいは数ヵ月もの拘束期間を過ごした後に脱出してきた人たちを診察しましたが、皆ショック状態に陥っていました。時には話すこともできないほどでした。肉親が会っても当人だとわからない場合がしばしばありました。大半の女性は何度も強姦されていました。家事労働もする、性の奴隷のように扱われていたのです。

現在、こうした女性たちにとって最も重要なことは、人として家族と地域社会の中に戻っていけるということです。しかし同時に、被害者自身とその家族に心理面で寄り添うことも非常に重要です。

このような残虐な行為を体験し、極度の暴力に直面した後、被害者はそれぞれ異なる反応を示します。最初のショック状態が過ぎると、さほどの苦しみもなく再び日常生活に戻って行く人もいます。しかし、深い苦痛が原因で深刻な障害となる症状を示す人もいます。重度のうつ病、自殺願望、さらには自殺にまで至ります。

従って、心理的サポートを最優先しなければなりません。これにより、暴力に直面したことによる心理的影響に苦しむあらゆる人びとが、より苦痛の少ない生活を送ることが可能になるのです。

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