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サイトトップ > ニュース > コンゴ人麻酔科医、内戦下の活動を語る

コンゴ人麻酔科医、内戦下の活動を語る

(2009.3.10)

コンゴ人医師であるポール=カヌランビ・ワレルは、コンゴ民主共和国の、戦争で荒廃した北キブ州にあるルチュル病院で、国境なき医師団(MSF)の麻酔科医として働いている。彼は、多忙な病院での仕事を以下のように詳しく話している。

まず、簡単に自己紹介をお願いします。

「年は43才で、MSFの一員としてルチュルで2年以上働いています。北キブ州にはMSFの仕事で初めてやって来ました。出身地はコンゴの中央部に位置する西カサイ州です。首都キンシャサで麻酔看護を学び、いくつかの病院で働きました。合計13年以上の経験を積み、これまで国内の様々な場所に赴任しました。私の両親は今も西カサイに住み、妻と3人の子どもはキンシャサで暮らしています。」


ルチュル病院ではどんな手術をしていますか?

「毎月平均350人の患者に様々な手術を行っています。腸チフスによる穿孔、腹膜炎、損傷の開腹手術のほか、銃創患者の腹部の傷や四肢の複雑骨折の手術をすることも多いです。また、帝王切開手術などの緊急な産科手術もやります。緊急性の高い手術を専門とし、待機手術は行っていません。火傷を負った子どもなど、患者の中には何度も手術を受けなくてはならない人もいます。

外科チームは2つありますが、ルチュル病院には紛争による避難民を始めとする多数の患者が、この地方全域から押し寄せるので、完全に手一杯の状態です。私たちのチームは3人のコンゴ人麻酔科担当者(看護師2名、医師1名)と2人の外科医(コンゴ人1名、外国人1名)で構成されています。2008年10月のように外科医が3人いるときもあれば、産婦人科医が1人いることもあります。週7日働き、1日交代で夜勤をこなしていますから、大変な激務です。文字通りルチュル病院で働くだけの毎日ですが、3ヵ月に1度、2週間の休暇をもらえます。私はこの休暇を利用して、キンシャサの家族に会いに帰り、リラックスしエネルギーを充電することにしています。」

このような環境でどのように麻酔を行っていますか?

「実は、病院には2つの手術室があり、とてもよい設備が整っています。麻酔のための設備としては、酸素濃縮器、ハロタン気化器と人口呼吸器の付いた麻酔器、多機能モニター(酸素飽和度、脈拍、心拍数、血圧、肺活量、心電図)が各手術室に1台ずつあります。それからコンゴでは珍しいシリンジポンプも2台ありますから、よい状態で麻酔をかけるのに必要なものはすべて揃っています。さらに、病院には血液バンクがあり、手術1回につき平均3ユニット分の血液を使用することができます。」

激しい戦闘も生じる中で、どのように働いているのですか?

「10月と11月に戦闘が激化し、負傷者の数が劇的に増加したときも、なんとか中断することなく仕事を続けることができました。通常、銃創患者は1ヵ月に15人くらいですが、10月には2時間で40人の負傷者を診た日もありました。また別の日には98人の負傷者が来て、容体の深刻度に応じて患者を分けなければならなかったこともあります。すべてのMSFチームに大変な労働負荷がかかっています。」

異なる背景を持つ仲間と仕事するのは難しいのではありませんか?

「外国人の外科医は、たいていルチュルに1ヵ月ほどしかいません。年令が高く経験豊富な外科医はあらゆる外科手術をこなし、若い外科医は整形外科手術や一般的な臓器手術など専門分野の手術に専念する傾向があります。しかし、みな適応がとても早く、たとえ仕事のやり方が違っていても、私たちにとってはまったく問題ではありません。私も今ではこういうリズムで働くことに慣れました。」

MSF International