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サイトトップ > ニュース > 3月8日は国際女性の日:MSF、性暴力に関する報告書『砕け散った生活』を発表 ―レイプ被害者には緊急医療ケアが不可欠―

3月8日は国際女性の日:MSF、性暴力に関する報告書『砕け散った生活』を発表 ―レイプ被害者には緊急医療ケアが不可欠―

(2009.3.6)

3月8日の国際女性の日に先立ち、国境なき医師団(MSF)は性暴力被害者への援助を通して得られた経験を概括する報告書を3月5日に発表した。リベリア、ブルンジ、コンゴ民主共和国(DRC)、南アフリカ共和国、コロンビアやその他の国々における活動に基づいて、MSFはレイプの被害者の誰もが緊急医療ケアを受けられるようになることの重要性について注意を喚起する。MSFはまた、秘密保持と包括的なケア提供の保証とともに、誰もがこのようなサービスを受けられることが必要であることを強調する。

多数の被害者、影響の深刻さ

MSFベルギー支部のオペレーション・ディレクター、メイニー・ニコライは語る。「2007年に私たちのチームは、紛争下の地域、情勢の安定している地域をあわせて、世界中で1万2千人を優に超える性暴力の被害者の治療にあたりました。MSFのプログラムで受け入れただけで1日あたり35人という数です。どの人も恐怖と苦痛、尊厳が損なわれたことを語っています。その多くは、父、伯父、隣人や兵士といった、本来ならば保護してくれるべき人によって引き起こされています。そして全ての被害者は、暴行の結果として深刻な健康被害を長期にわたって被る危険にさらされているのです。」

医療ケアの重要性

HIV感染を予防するための暴露後予防措置は医療ケアのなかでも必要不可欠である。確実に予防するには、可能な限り早く、被害にあった後72時間以内には確実に投薬を開始する必要がある。このような措置には、B型肝炎のような他の性感染症の治療も含まれていなければならない。暴行の際に負傷した人には、破傷風の予防接種が必須となる。望まない妊娠を予防するための緊急避妊は、5日以内に行わなければならない。

MSFのリプロダクティブ・ヘルス・アドバイザー、ティルデ・クヌーセンは語る。「私たちが活動する地域では往々にして、レイプの被害者が緊急に必要としているケアはほとんど、あるいは全く受けられません。心身に負った傷が完全に癒えることはありません。心理的な影響は一生涯続く可能性が高いのです。しかし、時宜を得た適切かつ包括的な医療ケアが、心的外傷のカウンセリングと社会的および司法による支援とともに提供されたならば、被害を可能な限り最小限にくいとめた上で、被害者は生き延びる助けを得られるのです。」

性暴力被害者のケアは様々な機関や専門家による個別のアプローチを必要とする。医療、司法および社会的支援に携わる団体や機関の間での調和した対応が、レイプやその他の性暴力によって傷つけられた被害者にとって何よりの救いとなる。

タブーが壁に

MSFが挙げる困難の一つは、被害を受けた人がケアを求めて自ら来られるようにすること、また被害を最小限に食い止めるために、事件後可能な限り早い段階で来られるようにすることである。性暴力被害者が必要とする医療サービスが一般の医療機関で受けられれば、被害者のプライバシー保護が容易になる。しかしそうしてなったとしても、社会的タブーを乗り越えてこうした医療サービスについて周知させるためには、意識向上に向けた積極的なキャンペーンが必要なことが多い。

男性への被害

この報告書は男性の性暴力被害者にも1章をあてている。男性と少年はMSFが性暴力プログラムにおいて診ている患者の一部にすぎない(南アフリカ・カエリチャ地区およびDRC・マシシ地区あわせて6%)。しかし、助けを求めることへのタブーは女性や少女以上に大きい。ほとんどの場合、少年や男性の被害は人の目にとまらず、治療もされないままである。

目撃者としての怒り

メイニー・ニコライは語る。「この報告書は、国際女性の日を契機として、全ての性暴力被害者の助けとなるために、私たちの経験を医療従事者と世界中の援助機関と緊急に共有しようという願いから生まれました。しかし、この報告書はその願いと同じくらい、怒りにも基づいています。私たちのチームは日々、言語に絶する虐待の話を耳にします。私たちは女性に対する暴力について話さなければならないと感じています。活動する地域においてこの性暴力という現象がいかに一般的であろうとも、そこにはいかなる言い訳も許されないのです。」

MSF International