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「人びとの傍らに留まることが、適切な援助活動の実施を可能にします」

(2009.1.7)

ピエールルイジ・テスタは、国境なき医師団(MSF)の緊急対応チームに所属し、医療従事者の採用を担当している看護師である。緊急事態が発生したとき、各国にかけつけることも任務のひとつである。現在は、コンゴ民主共和国(DRC)のイトゥリ地方にあるゲティの町から任務を終えて帰国したところである。彼は2006年に同地で実施された活動に参加して以来、この町のことにはとても詳しい。現在、多くの避難民がゲティ周辺に押し寄せている。「こうした状況下では、現地の人びとをよく知ることがとても重要になります。それが何よりも私たちの安全を守り、活動を広げることを可能にしてくれるのです。」と、テスタ看護師は語る。

イトゥリ地方の中核都市ブニアの南方にあるゲティという町でプログラム責任者として3週間活動を行った後、帰国したところです。私は2006年にもゲティに滞在したことがあります。当時イトゥリでは戦闘が頻発し、地域間で対立が起きていました。

今回は10月に政府軍と民兵組織の戦闘が発生した後、多くの人びとが自分たちの町や村を逃げ出し、支援を必要としていることがわかりました。そこで、私たちは避難民が逃げる前に住んでいた場所の状況を調査するため、直ちにゲティに戻ることを決めました。すでにその時点で、5万人を超える人びとが町の近くの3つないしは4つのキャンプに集まって暮らしていたことを思い起こす必要があるでしょう。ゲティに到着したとき、私のことを覚えている人が大勢いました。私の名前を呼んでくれさえしました。まるで我が家に戻ってきたような気持ちでした。

チェケレやアヴェバには、2年前に避難してきた人びとがまだ住んでいました。彼らはこの2年間、少なくとも今回新たに危機が拡大するまでは、支援を受けることができており、当面の差し迫った援助ニーズはありませんでした。他方で、ごく最近村々から避難した人びとの元に赴くことはできませんでした。彼らは、私たちにとっては安全上の理由から必要な対策を講じなければ行けないような、孤立した地域に避難しているからです。従って、これらの人びとの元にたどり着くための唯一の方法は、ゲティに拠点を構えてそこで医療を提供しつつ、住民と必要不可欠な接触をとりながら、周辺地域で必要な調査を段階的に開始していくことでした。

しばしば流言により活動が妨げられます。

たとえば、私たちは最初の週にゲティでのプログラムを立上げ、それまで知らなかったゲティからボガ方面の南にのびる軸に沿った地域で最初の調査を実施しました。順調に進んでいましたが、襲撃があるとの噂により、アレバやブキリンギ近辺で周囲から孤立して避難していた人びとを支援するためにスタートさせた活動が妨げられました。噂はまもなく根拠のないものであることが判明しましたが、援助活動はしばらくの間停止せざるを得ませんでした。

安全確保が優先されるこのような状況においては、国連やその他の機関が提供する報告によって判断を誤る場合がときどきあります。今回の場合、公的機関は現場の現実から隔絶されたブニアに滞在していたにもかかわらず、暴動があったという報告を行い、援助活動の実施に関する判断に重要な影響を及ぼしました。

それでも私たちは、現地に到着してから3週間目に、移動診療の拡大を再開することができました。兵士に襲われることを恐れて畑に行けない人びとにとっては、幼い子どもたちの栄養状態の悪化が差し迫った問題となっていることは明らかでした。私が現地を離れたときには、MSFは80人以上の栄養失調児を治療していましたが、そのうちの4分の1近くが重度の栄養失調状態にありました。これらの子どもたちが入院できるよう、MSFは、他NGOによって建てられた施設を改修しました。さらに、ゲティ病院は、入院患者を受け入れて適正な質の医療を提供できるような状況にはなかったので、私たちは地区の担当医師の合意を得て緊急治療室を設置しました。MSFの医療スタッフが担当するこの緊急治療室のお陰で、入院を必要とする大部分の人びとを受け入れることが可能になりました。

今回の活動は、現地の人びとの身近に留まり、現場で実際に起こっていることを十分に把握することがいかに重要であるかを改めて示してくれました。人びととの距離の近さが、彼らのニーズを正しく把握し、特にチームの身の安全が問題になっているときに、活動の妥当性を正確に測ることを可能にしてくれるのです。

MSF International