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略奪行為がカイナ地方全域に拡大

(2008.12.25)

コンゴ民主共和国(DRC)北キブ州カイナ地方では、数十万人の人びとが危機に巻き込まれている。11月下旬に発生した激しい武力衝突に伴い、一般の民家や診療所は略奪されつくし、もはや何も残っていない。国境なき医師団(MSF)の医療活動を統轄するサルハ・イッソーフーは、住民が直面している現状について以下のように話している。

Q. カイナ地方では今何が起こっていますか?

A. 11月、カイナ全域で大規模な略奪が始まりました。その結果、カイナおよび付近のカニャバヨンガ村の全住民―元からの住民に加えて、避難先として滞在していた人々も―が逃げ出しました。

2週間でほぼすべての家が略奪にあいました。診療所も略奪を受け、大半の医療スタッフが避難所へ逃げてしまい、多くの医療施設は完全に放置されたままです。

11月末に、住民はカイナとカニャバヨンガ地域に戻り始めました。70%の人が戻ってきましたが、武力衝突の再発を恐れてまだ森に身を潜めている人も多くいます。実質的にカイナに住んでいる避難民の多くは、過去にも避難を繰り返しており、中には3~4回も家を追われた人もいます。

この3ヶ月間、激しい武力衝突の波が幾度となくこの地域を襲いました。11月の略奪以降、事態は若干好転していますが、依然として状況は不安定です。武力衝突が発生するたびに、住民たちはすべてを置いて逃げ出し、森やどこか他の遠く離れた場所に避難しています。

MSFはこのような避難の繰り返しに際して、いかにして人びとの傍らに留まり、常に適切な対応と活動を提供できるかという課題に直面しています。

Q. 住民たちが直面している最大の問題とは具体的にどのようなものですか?

A. 人びとは、武力衝突と度重なる避難の犠牲となってきました。10月末以降にルチュル地方での武力衝突を逃れた人びとが到着してこの地方の人口は倍増し、ニーズは劇的に増加しました。とりわけ最近の略奪で食糧の備蓄が盗まれてしまったので、誰もが食糧と清潔な飲料水を必要としています。

現在、人びとは医療を受けられないために命を落としています。そのためMSFは人びとが無料で医療を受けられるようにすることを最優先事項としました。MSFチームは、略奪された医療施設に物資を緊急に補給して、医療機関の機能を回復させなければなりません。また、医療スタッフを移動診療チームとしてカイナ、カニャバヨンガ、キルンバ全域に毎日派遣し、家を失った人びとにできるだけ近い場所で支援ができるようにしています。移動診療チームは、毎日350件の診察を行っています。

さらに、カイナに戻ってきた家族は現在、再び生活を始めるために、寝具としてのマットレス、調理用品など、生活していく上で最低限不可欠な物資を必要としています。

Q. 現場では他に何が起こっていますか? 他に緊急に対応すべきことはありますか?

A. カイナ地域のMSFチームは70人のスタッフで構成されています。大半がコンゴ人ですが、医師、外科医、麻酔医の外国人スタッフも3人います。

MSFは移動診療の運営に加え、現在約40人が入院しているカイナ病院の全診療科を支援しています。11月末、MSFは銃創を負った9人の患者を手術しました。大半が一般市民で、頭に銃弾を受けた女性が1人亡くなりました。

武力衝突による負傷のほかに、医療チームは疾病の流行も心配しています。エドワード湖のほとりに、ボートで2時間半かけてしか行けないルニャセンゲという村がありますが、ここの診療所では11月18日~27日にかけて、コレラ感染の疑われる症例77件と10人の死亡が報告されています。MSFはこの結果を受けて直ちに現地に向かい、医療器具と医薬品を寄付しました。また、コレラ治療センターを設置し、11月28日以降すでに21人の患者を治療しています。

(写真はカイナの避難民、2006年撮影)

MSF International