継続的な暴力と過酷な気候条件により危機的状況に置かれているソマリ州の人びとにとって、2008年の生活は絶え間ない闘いの日々となった。ソマリ州に拠点を置く反乱軍と、懸命に反乱を鎮圧しようとする政府軍との板挟みになり、住民―その大半は遊牧民である―は基本的な行政サービスと人道援助からさらに孤立した状態に置かれた。
ソマリ州への物資の輸送は危険を伴い、さらに制限もあるため、現地の市場では食糧やその他の基本物資の品数が激減し、価格の急騰で基本的な必需品の大半に手が届かなくなった。また、地域によっては遊牧民の移動が厳しく制限されたため、家畜用の水と飼料を求めて移動することができなくなった人びとは、脆弱性がさらに増した。度重なる干ばつと戦闘の結果、人びとは作物、食糧備蓄、放牧地、そして家畜が朽ち果て倒れてゆく様を目の当たりにした。暴力の被害を直接受けた人たちもいる。
5月、国境なき医師団(MSF)はソマリ州の一部で栄養失調率が非常に高くなっていることに気づいた。これはエチオピア南部で明らかになった栄養危機に呼応するものであった。また、下痢、尿路感染症、眼感染症など、不十分な水の供給と衛生状態に起因すると思われる疾患も見つかった。ソマリ州東部の町ワルデルでは、何千人もの遊牧民と森林居住者が食糧と水、そして医療を求めて町はずれまで移動してきたのを目撃した。さらに、ワルデルとデガブールにおけるMSFの栄養治療プログラムでは、重度の急性栄養失調で治療を受ける子どもの数がここ数ヵ月で大幅に増加し、12月の時点で約千人にのぼっている。またMSFは外来診療、入院診療、結核治療も実施している。
人道援助のニーズが膨大な地域では、適切な援助が依然として明らかに欠如しており、何千人もの人びとが孤立無援の状態で栄養失調と疾病の蔓延に対処している。移動が制限されることは、MSFが住民の人道援助ニーズを調査して適切に対応しようとしても、自由にアクセスできない地域があることを意味する。ソマリ州の少なくともひとつの地域では、住民の4分の3が医療を受けられずにいるとMSFは推測している。適切な援助を提供するMSFの能力は多くの行政上の障害に阻まれている。フィクにおけるプログラムが閉鎖に追い込まれたことがその一例を示している。
MSFはワルデルとデガブールにおいて基礎医療を引き続き提供する一方、さらにソマリ州で戦闘の被害を受けた地域の住民へと援助を拡大する機会を模索している。現在も続く危機の影響を日々受け続けている人びとにとって、援助活動への制限が解かれ、拡大されることは依然として極めて重要な意味を持つ。
ソマリ州での活動の困難さとは対照的に、オロミヤ州と南部諸民族州では、栄養失調の拡大に対する大規模な治療活動を開始することができた。5月から9月まで、MSFは両州の各地で2万8千人を超える重度栄養失調患者と中程度の患者2万1千人を治療した。また7月には、栄養失調の危機に直面している住民1万2500人を対象に食糧の配給を行った。
“ 現在のような干ばつは、私たちにとって最悪の事態と言えます。家畜のほとんどを失ってしまい、今や食べるものが何もありません。私たちに残っているものは取引用の家畜と、その家畜から得られるミルクだけです。 ”
キャンプで生活する女性
国内東部、ソマリ州のワルデル郊外で