2007年 10の最も報じられなかった人道的危機

チェチェン:紛争が去っても残る重大な人道援助ニーズ


北コーカサス地方のチェチェン共和国において、ロシア政府と反政府勢力の間で起きた最も激しい戦闘が収束してから4年近くが過ぎた。近隣のイングーシ、ダゲスタンの両共和国へ避難した数十万もの国内避難民はチェチェンに帰還している。

同時に、10年ほど前には無差別爆撃の舞台となっていた首都グロズヌイでは復興が進み、共和国の空港も再開した。しかし、コーカサス地方は未だに非常に不安定であり、チェチェン周辺では戦闘が増加し、大規模な軍の駐留が続いている。

拉致、消息不明、暗殺、爆撃がイングーシ、北オセチア、ダゲスタンの各共和国で続いている。チェチェン国内では、一般市民にとって治安状況は現在でも不安定である。危険は、散発する銃撃戦に巻き込まれることから重装備の軍用車両による交通事故にまでわたり、最近では後者が外傷を負う原因となることが多い。

基礎医療、特に産科と婦人科の医療が非常に不足しており、たとえ医療が提供できる場合でも、帰還して貧困にあえぐ多くの人びとの手には届かない。グロズヌイ市内や周辺の診療所で、国境なき医師団(MSF)と現地のチェチェン人医師は、これらの地域に住む人びとに肺、腎臓、循環器疾患などの慢性疾患が高い確率で見られるのを目の当たりにしている。

さらにMSFチームは、何年にもわたり暴力や避難生活にさらされてきたことにより、心理社会的ケアのニーズが広く存在していることも確認している。イングーシやチェチェンの臨時宿泊センターに滞在する避難民を対象にしたMSFの調査によれば、インタビューを受けた人びとのほとんどが、不安、不眠、うつ状態に苦しんでいることが判明した。


チェチェンの紛争は、同国の結核管理システムにも被害をもたらした。MSFは、人口40万人をカバーしている複数の結核病院を支援し、これに対応している。また紛争を生き延びた人びとの多くは、今でも生活に支障をきたす傷跡のケアを必要としている。MSFはそのようなニーズを少しでも満たすため、2006年からグロズヌイ第9病院で再建外科治療プログラムを運営している。

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