パレスチナ:ヨルダン川西岸地区におけるMSFの活動状況

2010年01月07日掲載

パレスチナ

国境なき医師団(MSF)はヨルダン川西岸地区のヘブロンとナブルスにおいて、イスラエルとパレスチナの紛争やパレスチナの内紛の影響に苦しむ人びとへの医療および心理・社会面の支援のプログラムを展開している。MSFは短期間の心理療法を通して、こうした患者たちの精神面の打撃を和らげようと努めている。必要に応じて、MSFの心理療法士は患者をMSFの医師やソーシャルワーカー、あるいは他の心理ケア施設や援助団体に紹介している。


2009年3月から4月にかけては、ヘブロンの心理ケアチームが治療にあたる新規患者数が増加した。おそらくガザ侵攻の影響であると思われる。事実、2009年1月にイスラエル軍がガザ地区に行った「鋳造された鉛」作戦以降、ヨルダン川西岸地区ではイスラエル軍による侵入、拘留、示威行動がより頻繁に行われるようになった。MSFの心理療法士は、こうした暴力的な出来事の影響を受けた人びとの治療を行った。

ナブルスではイスラエル-パレスチナ間の紛争による死者の数はより少ないものの、イスラエル軍による精神的な嫌がらせや暴力行為が続いている。日中はパレスチナ自治政府の監督下にあるが、夜になるとイスラエルの軍隊が町を支配し、侵入もより頻繁となる。イスラエル人入植地も「自然増加」という理由で正当化され拡大を続けている。ヨルダン川西岸地区における入植者の数は合計で30万人を超え、うち10ほどの入植地がナブルス一帯に集中している。

2009年上半期において、ヘブロンで活動するMSFチームは心理ケアの診察を683件行った。2009年5月末時点で、ナブルスのチームが治療にあたった患者の数は71人にのぼり、うち80%が女性と子どもだった。