パキスタン:北西辺境州ロワー・ディール郡およびマラカンド保護区で病院を支援

2010年01月02日掲載

国境なき医師団(MSF)は北西辺境州(NWFP)ロワー・ディール郡のムンダから20kmに位置し、郡の基幹病院となっているティムルガラ病院を支援している。この病院の救急処置室では、毎週1100人の患者が治療を受けている。保健省の医療チームも治療にあたっているが、最も危険な状態にある患者はMSFチームが治療を担当する。現在MSFは、手術室の新設と病院全体の殺菌・廃棄物管理システムの立ち上げも手がけている。

マラカンド保護区のダルガイ病院で手術の準備を行うMSFの外科チーム。
マラカンド保護区のダルガイ病院で手術の準備を
行うMSFの外科チーム。

隣接するマラカンド保護区では、MSFの医療スタッフと保健省のチームが週7日、24時間体制でダルガイ病院の救急処置室を運営している。8月には2300人の患者が来院。うち142人は武力衝突に伴う外傷を負っていた。中には極めて重篤な患者もおり、うち10人が死亡している。

武力衝突で外傷を負う患者が絶えないという事実は、衝突がマラカンドでなおも進行中という証である。またMSFは、ダルガイ病院において、手術室での帝王切開へのサポートをはじめとする産科医療や40床の入院病棟支援にあたっている。毎月平均150人の女性が出産のために来院、週700人の患者が救急処置室での治療を受けており、MSFは特に難しい症例を引き受けている。

10月末、パキスタンの地方行政当局は、治安の問題から海外派遣スタッフ全員のマラカンド保護区からの退去を要請。しかし、現在もパキスタン人の現地スタッフが勤務を続け、病院機能は継続している。MSFはスタッフ全員ができるだけ早くダルガイ病院に復帰できるよう、当局と折衝中である。