
フィリピン:緊急対応チームの医師へのインタビュー
2009年10月09日掲載
フィリピンの洪水災害に対応している国境なき医師団(MSF)の医師、ナターシャ・レイズ=ティクゾンは、移動診療の様子について、次のように語っている。

被災地で患者の診療を行う、ナターシャ・レイズ=ティクゾン
医師(手前)。
Q. 今日(10月6日)はどのような活動をしましたか?
A. MSFの移動診療は今日、マニラ首都圏のパシグ市で活動しました。この地域全体が洪水によって冠水し、今も多くのところで胸までの高さがあります。この地域で水が引くには3ヵ月かかると予想されています! それでも、現地には急ごしらえのボートや水中を徒歩で移動している人がたくさんいました。現地にたどり着くのが一仕事で、MSFの車を出て、モーターボートで川を渡り、路地を進むために更に小さいボートに乗り換えなければなりませんでした。私たちはある民家の2階で移動診療を行いました。今日は92人の患者を診ました。呼吸器感染症、水様性下痢、皮膚感染症、もしくは、これら3つすべての合併症です。これらの疾患の大部分は、洪水によって引き起こされたと考えてよいと思います。現在、この地域住民は、現地の診療所が冠水しているため、医療を全く受けられない状態です。
Q. 医療面では、どのようなニーズがあるでしょうか?
A. 現在のところ、見られる諸疾患は、単純かつ予防可能なものです。しかし、治療を受けられなかった場合は、深刻な事態に至る可能性があります。これは現在も冠水している地域に特にあてはまります。これらの地域住民は、質の高い医療を普通に受けられることを必要としています。水・衛生(給排水)サービスも必須です。
Q. MSFは、どのような役割を果たすことができるでしょうか?
A. MSFは継続した救援活動が行き渡っていない地域に医療を届けようと努力を続けています。このような地域の多くは、都市部の中でも低所得世帯が多い地域なのですが、今なお冠水が続いていることも援助を難しくしています。しかし、MSFは他の団体や援助機関が無理だと判断した地域にも赴く努力を続けています。
(10月6日取材)