
中央アフリカ共和国:暴力の再燃-MSFは北部「暴力の三角地帯」で援助
2009年03月23日掲載
2月末以来、中央アフリカ共和国(CAR)の北部地方では、反政府勢力と政府軍との間、そしてこの地方で活動する他の武装勢力間での戦闘が再燃している。
バタンガフォにおける国境なき医師団(MSF)のプログラム責任者であるステファン・ハウザーは報告する。「戦闘は、ボンゴノ、バタンガフォ、ボカヤンガ、カボを含む、MSFが活動している複数の場所の内外で発生しました。武装勢力間の対立と暴力も、この地方で急激に再燃しました。危険を避けようと森林地帯に避難した一般市民も襲撃されました。ある村では、数百軒もの家が焼き払われました。」
暴力の発生によって、数千人もの人びとが一時的な避難を強いられた。これまでに15人の負傷者が出ている。MSFのチームはバタンガフォとカボの病院で銃撃による負傷者7人を治療した。負傷者の大半は一般市民である。MSFは、各病院で既に活動している2つのチームに加えて、麻酔科医と外科医各1人を含む外科治療チームを追加で派遣した。
MSFはこれ以外にもこの地方にある7ヵ所の診療所を支援しているが、暴力の発生を受けて活動の縮小を余儀なくされた。ハウザーはこう説明する。「私たちのチームは、ほぼすべての移動診療と、通常は1週間に約250人の患者を診察しているボカヤンガとボンゴノの診療所での活動を一時中止せざるを得ませんでした。治安の悪化によって一部の住民がやぶの中に身を隠したため、MSFの行う診察件数は著しく減少しました。」
人びとは暴力によって森林地帯への避難を強いられ、MSFの医療チームの活動が及ばないところで、まったく医療を受けられない状態に置かれている。バタンガフォ一帯だけでも、医療へのニーズは高まっているにも関わらず、MSFの患者の平均人数は半減したと報告されている。
「森林地帯に避難したために健康状態が悪化した患者の数が徐々に増えています。具体的にはマラリア、呼吸器感染症、下痢、結膜炎を患う子ども、そして原因の分からない痛みに苦しむ大人たちです。」と、ハウザーは説明する。
中央アフリカ共和国(CAR)における長年の紛争を終結させるために策定された和平プロセスが実施されているにも関わらず、北のカボ、西のバタンガフォ、そして東のウァンダゴの各村に囲まれた三角地帯の中では、依然として武装勢力が活動を続けている。こうした勢力には中央アフリカの国軍、反政府勢力、そして武装強盗団が含まれている。これに加えて、遊牧民と農場経営者たちといった地元の集団同士の対立も、この「暴力の三角地帯」の不安定な情勢を煽り立て続けている。
CARにおけるMSFの活動責任者、ガブリエル・サンチェス・イバラはこう語る。「長年の紛争に痛めつけられてきた一般市民は、今やこれらの武装勢力による暴力の人質となっています。医療の面では、MSFが運営・支援する医療施設が、唯一の利用可能な医療サービスである場合が多いのです。そして人間的な観点からは、再び紛争状態に戻ることを恐れながら暮らしているこの地方の住民にとって、MSFはおそらく安定と正常性を象徴する数少ない要素の、残された一つなのです。そのため、MSFがこの地に留まり、彼らのために活動を続けることは非常に重要です。」
現在、MSFのスタッフ345人(現地採用のスタッフ305人を含む)が、現在カボとバタンガフォで活動している。MSFはこの他にも北西部のパウア、ボギラ、マルコウンダ、そして北東部のゴルディルとビラオ周辺でも医療プログラムを展開している。MSFは1997年から中央アフリカ共和国で活動を行っている。