ナイジェリア:無料の包括的なHIV/エイズ治療の提供が求められる

2007年12月07日掲載

12月1日の世界エイズデーを迎えて、国境なき医師団(MSF)はナイジェリア国内で医療ケアを提供するすべての医療従事者に対して、HIV/エイズ患者に包括的なケアを提供する取り組みをさらに拡大するよう要求した。2006年にナイジェリア政府が治療薬の無料提供を導入して以来、HIV/エイズへの取り組みは改善されたものの、患者が受けられる治療の水準は依然として極めて不十分である。ナイジェリア保健省は、より広範囲で適切なHIV/エイズ治療を提供するための取り組みを、さらに主導して実施すべきである。

政府のHIV/エイズ治療プログラムは2001年に開始されたが、未だに患者の半数は延命治療を受けられないでいる。ナイジェリアの国家エイズ調整局(NACA)によれば、2005年12月時点で全国で50万人の患者が治療を必要としていたが、2007年6月の段階で治療を受けているのはわずか17万人に過ぎなかった。

現在政府が提供しているHIV/エイズ治療に、無料の包括的な治療プラグラムを導入すべきである。包括的な治療プログラムとは、患者への心理社会的支援、治療を継続するための教育、栄養補助、日和見感染症の治療、治療の経過もしくは中断の継続的な管理、子どもや結核とHIV/エイズの二重感染患者、妊婦などの患者の治療に対応する治療プロトコルを含んだHIV/エイズ治療のことである。

MSFのナイジェリアにおける活動責任者トン・バーグは語る。「抗レトロウイルス(ARV) 薬による治療は国内の診療所で幅広く受けられるようになりましたが、日和見感染症の治療薬は非常に手に入りにくく、患者のニーズに応えられていません。日和見感染症の治療はエイズ患者の包括的な治療に不可欠であり、どのようなHIV/エイズ治療プログラムにおいても、成功のためには欠かすことはできないのです。」

政府は、治療を提供する診療所を分散化し、出来るだけ多くの患者に適切で十分な指導を受けたスタッフによる治療を提供する必要がある。国内のほとんどの診療所では、治療を行える資格を持つ医療従事者の数が圧倒的に不足している。多くの場合、患者は診察の順番をほぼ1日中待たなければならないのが現状である。


MSFは2003年以来、ラゴス総合病院でHIV/エイズ患者に対してARV治療を含む包括的な治療を無料で提供している。2007年9月現在、1300人以上の患者が同病院におけるMSFの治療プログラムに登録されている。MSFは2007年10月から合併症のないHIV/エイズ患者についてはラゴス総合病院に引き継ぐ準備を始めている。また2005年にポートハーコートに開設されたテメ病院では、他の医療施設では治療を受けられない患者のために緊急医療ケアおよび外科治療を提供している。