栄養失調とは何か

栄養失調は、特に「世界から飢えをなくす」「世界の人びとに食糧を供給する」という話の流れから、飢餓の問題をめぐる議論に埋没してしまう場合が多い。このような曖昧な定義が、栄養失調の問題に不適切な対応が延々と続く原因となっている。しかし栄養失調は、食糧援助を超えた対応を必要とする。

飢餓とは通常、カロリー摂取量の不足を意味すると理解されている。毎日の食事が定義されている最小量である2100kcalを下回る人は、飢えに苦しんでいる、または栄養不良であると見なされる。飢えに対する典型的な対応は、毎日のカロリー不足を補う食糧援助である。

しかし、栄養失調は単に食糧不足がもたらすものではなく、主に必須栄養素の不足から生じる病状である。今日行われている食糧援助のほとんどは、必須栄養素の供給量が足りない、あるいは必須栄養素が調理によって失われる、適切に体内に取り込まれない形で提供されるという点で、栄養失調の対策としては不適切である。

最も危険に晒されているのは?

栄養失調に最も陥りやすいのは2才未満の子どもである。しかし、5才未満の子ども、青少年、妊婦や授乳中の母親、高齢者、そしてHIV/エイズや結核などの慢性疾患にかかっている患者も同じく栄養失調の危険に晒されやすい。子どもたちは、特に生後1~2年の間に母乳を補う食糧が与えられないと、成長阻害に陥りやすい。消耗性の、または他の形態の急性栄養失調が、ハンガーギャップ(端境期の飢餓)の時期を中心に季節周期で子どもたちの間に生じることが多い。

ニジェールのマラディ県におけるMSFの医療コーディネーター、スーザン・シェパード医師は語る。「子どもが急性栄養失調に陥ると、免疫システムが正常に機能しなくなり、死亡の危険が非常に高くなります。呼吸器感染症や胃腸炎などの子どもにとってはありふれた病気であっても、栄養失調の子どもの場合には、即座に合併症へと進行し、死亡の危険性が高くなるのです。」

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