RSS

ご寄付に関するお問い合わせ・資料請求は フリーダイヤル 0120-999-199

寄付する

TOP > 活動ニュース > 必須医薬品キャンペーン > MSFとHIV/エイズ

MSFとHIV/エイズ

1990年代後半、抗レトロウイルス(ARV)薬の登場によって、エイズは欧米諸国の人びとにとって死刑宣告から生涯にわたる慢性疾患へと姿を変えた。1997年に効果の高い3剤併用治療が導入されたことにより、HIV感染者は毎日薬を服用すれば以前より長く生きられるという期待を持てるようになった。しかし、治療薬の費用が約1万米ドル(約107万円)と高額であったため、開発途上諸国の数百万人に上るHIV感染者にとって、ARV治療は手の届かないものだった。専門家のほとんども、この3剤併用治療は複雑すぎて開発途上国での実施は無理だと主張し、途上国の患者は実質的に対象外とされた。

MSFはこの状況は受け入れがたいと考え、2000年にタイでARV治療を開始した。さらにその翌年、アジア、中南米、アフリカの6ヵ国でプログラムを立ち上げた。当時、ARV薬による治療を受けられたのは、治療が必要な患者全体の1%未満にすぎなかった。

この後7年が経過し、状況は変化した。製薬会社間の価格競争により、ARV薬の価格は現在では患者1人あたり100米ドル(約1万700円)以下と大幅に下がり、より多くの患者が治療を受けられるようになった。3種類の薬を1つに合わせた多剤混合薬のジェネリック版が開発されたことで、患者の治療もより簡単になった。

こうしたことが可能になったのは、安価なARV薬が、ブラジルやインド、タイなど特許のかからなない国々で製造されたためである。その結果、治療を受けられなければ命を落としていたであろう多くの人びとが、現在も生存し元気に生活している。

MSFは現在、30ヵ国以上の開発途上国で10万人以上に対してARV治療を提供している。現在、開発途上国全体で合計200万人がARV治療を受けているが、ARV治療を緊急に必要としている患者は500万人に上り、これは治療の拡大が大幅に遅れていることを示している。生き延びるために治療を必要とするすべての人びとがARV治療を受けられるようになるためには、数多くの障害がある。

アクセス危機の第2波

生涯にわたり治療を受けるということは、薬を毎日服用する必要があるだけでなく、現在服用している薬が効かなくなった時には、新しい薬に切り替える必要があるということでもある。切り替えは、薬への耐性が必然的に生じたとき、あるいは患者にとって耐え難い苦痛をもたらす副作用が生じた場合に必要となる。開発途上国ではARV薬の第一選択薬の入手手段は増えているが、その一方で、別の混合薬への切り替えが必要な場合には、ほとんど選択肢は残されていない。多くの場合、新しいARV薬は価格が高すぎるか、入手不可能であるためである。

ブラジルやインドなどの国でも現在では医薬品へ特許を認可しているため、安価で新しいARV薬の供給源が枯渇する深刻な恐れがある。また、今後数年間、さらに新しい薬を必要とする患者の急速な増加が見込まれるため、途上国のHIV/エイズ感染者にとっては、治療を受けるための費用がふたたび死刑宣告に値する恐れがある。

不十分な治療法がさらなる障害を生む

ARV薬の価格と入手の困難にくわえて、HIV/エイズ治療における大きな障害は、治療法が開発途上国の状況とニーズに適合していないことである。例えば、MSFでは特に小児エイズ患者用に調剤された薬が不足している。また、MSFが活動する多くの国では、18ヵ月未満の幼児がHIVに感染しているかどうかを検査する簡易検査法が存在しない。患者の治療効果が上がらず、治療法を変える必要があるかどうかを判断するための、遠隔地で使用できる簡易検査も存在しない。

医療従事者の不足が治療を制限している

適切な治療を行う技術を持った医療スタッフの不足は、とりわけ農村部におけるHIV/エイズの治療を拡大する上で、多くの地域で重大な障害となっている。医療サービスは多くの場合人員が不足しており、医療従事者の給与は低く、支援も少ない。国際的な資金拠出機関は概して、継続的に必要な医療費、とりわけ給与に対する資金提供には消極的である。

「農村部の診療所におけるHIV/エイズ治療の提供は看護師に依存していますが、看護師は患者の数の多さに途方にくれています。診察時間は余りにも短すぎて、体調の悪い患者は必要以上に苦しんでいます。看護師が困れば患者も困るのです。」
レソトで活動するMSFの医師、フェロ・レソラ

事態をさらに悪化させるHIV・結核の二重感染

MSFは、免疫システムが弱まった結果他の日和見感染症に感染しやすくなり、とりわけ現在増加しつつある結核に二重感染している患者の治療において、さらなる障害に直面している。結核はHIV/エイズ感染者の死因の第1位であるが、結核との二重感染を適切に診断・治療するツールが不足している。

高価な既存薬の価格引き下げと、治療薬・診断の両方で緊急に必要な新しいツールの開発を促進しなければ、私たちは患者のニーズに対応できず、富める者のための医療と貧者のための医療という、容認しがたい2重構造が続く恐れがある。

たった3,000円で100人をこえる命を救える


国境なき医師団について
寄付をする

海外での活動に参加する

  • Work with Us
  • 활동에 참가한다

メールマガジン・ニュースレターご登録はこちら

国境なき医師団は、1999年ノーベル平和賞を受賞しました

MSFの活動地

CAMPAIGN FOR ACCESS TO ESSENTIAL MEDICINES 必須医薬品キャンペーン

Starved for Attention 栄養失調―1億9500万のストーリー―歴史を書き変える時

10の最も深刻な人道的危機2009年

Donation music 音楽で寄付。

携帯サイトをオープンしました
携帯サイト