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2008年06月09日
国連食糧危機サミットで、効果のない従来の援助策の打開を ―MSF、幼い命を救う食糧援助および栄養プログラムの改革を要求―
6月の第一週、各国首脳と20名近くの主な国連当局者がローマに集まり、現在の世界的な食糧危機を打開するための計画を練る中、国境なき医師団(MSF)は2才未満児を対象とする具体的な栄養戦略を採択し、これを迅速に拡大するよう要請した。 既存の対応ではすでに蔓延している栄養失調の危機に対応できなくなっているため、その対応策を単に拡大するだけでは食糧価格の高騰に最も影響を受けやすい幼児を守ることはできない。...
現代医学の進歩によって、今まで人類を苦しめてきた病気が世界中で克服されつつあるかのよう見えます。ポリオはほぼ根絶され、また、天然痘は完全に撲滅されました。他の病気についても、効果的な治療法が見つかるのは時間の問題だといわれています。
しかし、現実には、世界人口の3分の1が必須医薬品*を入手できない状態にあります。アフリカやアジアの最貧国に限れば、人口の半分が必要な医薬品を手に入れることができずにいます。国境なき医師団が活動する国では、医療者たちは患者に必要な治療を行うことが困難な状況に度々直面します。必要な医薬品の価格が高すぎたり、製造中止になっていたりするためです。薬が入手できたとしても、副作用の強いものだったり、効果が薄いものだったりすることが多いのです。
MSFは、人道医療援助団体として、途上国の人々が、必須医薬品*、特に世界的に流行している感染症の治療に必要な医薬品を手に入れることがますます困難になっているという現状を見過ごすことはできません。MSFは1999年に必須医薬品キャンペーンを始め、こうした状況を打破するために、長期的かつ持続的に有効な解決策を呼びかけています。このキャンペーンを通して、医薬品の価格の引き下げ、製造が中止された薬の生産再開、途上国に蔓延する疾病に対する治療法の研究開発の促進をはじめ、医薬品入手を阻む様々な障壁を取り除くために活動を行っています。
参考資料:
医薬品と資金(開発途上国における必須医薬品の公平な価格設定)
これには、いろいろな原因があります。例えば、的確な診断がなされないために病気に対する適切な薬が処方されないこともあります。また、医薬品の品質そのものに問題があったり、その国の保健制度が機能していなかったり、財政不足だったりすることもあります。必要な医薬品の研究開発が進んでいないこと、価格が高いことも障壁になっています。MSFは、途上国政府に対し、こうした問題を解決するように働きかけています。一方、国際的な活動として、途上国の人々の命を守るために必要な医薬品の研究開発を促進し、低価格で効果のある薬を途上国に供給できるようにすることを訴え続けています。
国境なき医師団は、医薬品を長期に渡って低価格で提供できるように、ジェネリック薬*を導入して価格競争を促進する一方、製薬会社に特許薬の価格を自発的に引き下げるよう提唱しています。さらに、結核、マラリア、ねむり病、リーシュマニア症など、途上国の人々を苦しめている病気の治療薬の研究開発の促進や、途上国での医薬品の研究開発が可能となるよう投資を呼びかけています。また、製薬会社や各国政府に対して、生産中止になった薬の生産再開を働きかけています。こうした薬は、製薬会社にとって収益性は低くても、途上国の人々には必要なものです。MSFは、これらの方策が長期に渡って実行されるように、途上国に対して、医薬品の入手を容易にするための法的枠組みの整備を支援をしています。また、国際的な取り組みとして、各国政府が国際的な貿易政策を策定するにあたって、途上国の人々の健康を守ることを優先することを求めています。
国境なき医師団は、一般の人々、団体、機関がそれぞれ果たす役割を持っていると考えています。途上国の医療現場では、医師や看護師らが、目の前の患者に対して最良の治療を行う責任があります。また政府レベルでは、途上国各国が法律の制定を通して自国民の健康を守ることを最優先する責任があります。そして国際レベルでは、世界保健機関(WHO)や世界銀行などの国際機関、また、国連エイズ合同計画(UNAIDS)、国連児童基金(UNICEF)などの国連各機関が、途上国の人々の健康を守るための政策を提唱し、実行する義務があります。製薬会社は、途上国向けの医薬品の価格を引き下げ、製造中止になった薬の生産再開を促進する必要があります。先進国が行う途上国への支援は、病気の予防のためだけに資金提供を行うのではなく、途上国の医薬品購入と治療プログラムにも資金を提供することが望まれています。そして最後に、我々一人一人に、こうした各機関/団体、各国政府、製薬企業がそれぞれの役割を果たしているかどうか監視し、不備を指摘し、方向性を変える必要がある時には声を上げる責任があります。
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