タジキスタン:女の子、5歳、病気には負けない――結核と闘う(1)

2013年12月24日掲載

ウメダちゃん(5歳)はタジキスタンの首都ドゥシャンベ近郊の町、シャリストンに住んでいる。両親は職探しでロシアにいるため、一時的におばの家で生活している。ウメダちゃんは、多剤耐性結核(MDR-TB)の治療を受けている。おばは彼女を診療所に連れて行き、間違いなく全部の薬を飲むようにと面倒を見ている。ウメダちゃんはMDR-TB治療を始めて6ヵ月になる。

  • タジキスタンで、MSFの治療を受けながら結核と闘っている患者の方々の声を、4回シリーズでお伝えします。

多剤耐性結核(Multi-Drug Resistant Tuberculosis=MDR-TB)とは、結核治療の第1次選択薬であるイソニアジドとリファンピシンの2剤に対して耐性を持っている結核を指す。治療は服薬と注射が中心で、2年間かかる。重い副作用が出るケースも多い。

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毎日忘れず服薬、「やめたら熱が出るんだもん」

結核の治療薬を飲むとシールを貼ってもらえる紙を見せるウメダちゃん 結核の治療薬を飲むとシールを
貼ってもらえる紙を見せるウメダちゃん

家族は当初、治療に懐疑的だった。ウメダちゃんのおじが結核で亡くなっていたからだ。この子に治療が効くなんてことがありうるのだろうか?疑問の中、治療が始まった。おばは現在までの結果に大変満足している。「この子はずっとよくなったんです。見違えるようです」

病気を発症した当初、彼女はげっそりやせてひどく衰弱した。話すこともままならず、呼吸も困難だった。さらに、治療は厳しいものだった。当時は入院していたが、病院スタッフはウメダちゃんの面倒をみる時間が十分にとれず、あまり助けになれなかった。しかし、彼女は強い子だった。自分だけの力で、毎日、すべての薬を忘れず飲み続けたのだ。本人の説明は簡潔だ。「それでよくなると分かっていたんだもの」

彼女の治療はまだ1年以上続く。そして決意はわずかに揺らいだ。彼女にとって、大きな錠剤を溶かしたシロップ薬の味はあまりおいしくないからだ。

おばの家で闘病を続けながら両親の帰りを待っている おばの家で闘病を続けながら
両親の帰りを待っている

彼女が薬を間違いなく飲み続けるように、MSFは特別なごほうびを用意している。ウメダちゃんは1週間の日付が載っている紙を1枚もらっている。毎日薬を飲むと金色の星のシールがもらえるのだ。そこで、1枚全部を金星で埋めることに熱中している。もちろん、ごほうびや賞品がなくても薬を飲む必要があるとよく分かっている。「やめたら熱が出るんだもん」

おばさんは今後もウメダちゃんを支えていくつもりだ。ただ、すべての患者がそのような助けを得られるわけではない。一家への心理ケアを担当するMSFのカウンセラー、ソローは言う。
「入院している子どもの見舞いさえしない親もいます。結核が広がらないようにとる措置について、人びとに伝えるのが大変難しいこともあります。結核への大きな偏見は相変わらずです。MSFはなんとかしようと試み、一歩一歩、改善を目にしています」

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