マリ: MSF、戦闘地域の近郊2ヵ所で医療援助

2013年01月25日掲載

1月中旬に激しい戦闘が起きたマリ中部のコナ地域。国境なき医師団(MSF)は、その北に位置するドゥエンザと南のモプティに、数ヵ月前からチームを派遣している。2つの町の医療プログラムを指揮するイブラヒム・アハメドに、戦闘地域に近い現地の状況とMSFが直面している困難について尋ねた。

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モプティの現状は?

A.MSFが到着する1週間前、住民はすでにモプティを離れていました。ここから70km離れたコナまで戦闘が及んでいたため、親類や家族、友人のもとへ避難していたのです。モプティはほぼ無人で、店は閉まり、通行人もほとんど見られませんでした。

その時点で町にとどまっていた人は、おそらく移動手段がなかったのでしょう。最も弱い立場に置かれていたとも言えます。そこで、MSFは町に駐在し、栄養失調児の入院施設2ヵ所と外来治療センター1ヵ所の支援を開始しました。

モプティでの当初の予定は、ドゥエンザの病院で活動する医療チームに合流することでした。しかし、戦闘が激化して移動できなくなってしまったのです。

ドゥエンザ駐在のMSFチームの現状は?

紛争を逃れて多くの人びとが故郷を離れている

A.やや孤立している感がありますが、無事です。定期的に連絡も取り合っています。爆撃が始まってからは、避難せずに病院内で待機していたそうです。

彼ら自身の安全の確保も大切ですが、救急患者への対応も重要です。ドゥエンザでは1月第3週、複数のチームで合計約600件の診療を行いました。そのうち約200件は5歳未満の子どもが対象でした。

MSFの支援する病院や医療施設への来院数は減少しています。これは、住民が外出をしないためだと推測されます。負傷者が1人も運ばれて来ないのです。ほとんど情報もありませんし、コナ周辺の状況もまったく不明です。人びとの健康状態が案じられます。

紛争時に戦闘地域の周辺2ヵ所で活動することはめったにありません。しかし、それが私たちの現状なのです!マリ軍とフランス軍がドゥエンザに到着したことを1月21日に知らされました。私たちも現地の同僚たちと合流する機会を待ち望んでいます。

モプティやドゥエンザからコナへの移動は?

A.コナ周辺では陸空で戦闘が展開されており、医療・人道援助ニーズが深刻化する可能性があります。しかし、これまでのところ、MSFの再三の要請にもかかわらず、当該地域への進入は禁止されています。そのため、状況の推移もなかなかわかりません。

援助団体もメディアも、モプティ近郊の町セバレで足止めされています。MSFは1月第3週、トラック2台で医療物資と薬を搬入しました。そのため、現地に薬剤が揃い、移動診療も速やかに立ち上げられる態勢が整いました。

負傷者が運ばれてくることが予想されますが、その容体安定と、必要に応じてモプティに移送するために必要な医療物資も確保しています。首都バマコにいるMSFの外科医も、コナに入る許可を待っています。

ただ、情報が入って来ない状態が長期化し、実際に現地入りした時点で遅すぎたとわかる事態になるのは最悪です。この地域での活動では、常に同じことを最優先事項に掲げています。モプティのチームの拡充と、コナでの援助の実現です。

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