患者にとって最適な治療を――MSF必須医薬品キャンペーンの挑戦

2013年02月21日掲載

マニカ・バラセガラム医師

国境なき医師団(MSF)の必須医薬品キャンペーンは、1999年にMSFがノーベル平和賞を受賞したことを機にスタートした。以来、10年余りにわたり、活動地の環境に適した安価で効果の高い薬剤を調達する助けとなっている。

同キャンペーンのエグゼクティブ・ディレクターであるマニカ・バラセガラム医師は、MSFでの初任務で、アフリカ睡眠病(アフリカ・トリパノソーマ症)の治療に携わった。バラセガラム医師に、同キャンペーンとアフリカ睡眠病との関わりについて聞いた。

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製薬会社と交渉、薬の製造再開を実現

アフリカ睡眠病の検査の様子

初任務での活動中、目がさえて眠れず、患者の行く末を案じた夜のことを今でも覚えています。病状の進んだ睡眠病患者を治療していました。使用可能な治療薬はヒ素由来のものだけで、痛みを伴い、ひどい副作用を引き起こすものでした。

かつて存在したある薬剤は、睡眠病の治療に有効で深刻な副作用もありませんでした。その当時、欧州や米国で顔の除毛に使用されていた薬です。しかし、その薬を製造していた企業は、もうけにならないという理由で生産をやめてしまいました。

それでも、その後、ある市販のクリームが同じ薬剤を使用しているとわかり、私たちは行動に出ることにしました。持ち前の交渉力を発揮し、アフリカ睡眠病の治療薬の製造を要求したのです。

その結果、企業から製造再開の同意が得られました。私たちは、効果的で安全な睡眠病治療により、患者の生活を変えることに成功したのです。

10年あまり経った今も、MSFの医療チームは日々、同じような困難に直面している。治療に用いられる薬、検査方法、ワクチンは、途上国の患者の生活環境にとって最適とはいえない。MSFの必須医薬品キャンペーンはMSFの現地チームと連携し、問題を見極め、その解決のために活動を続けていく。

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