MSF必須医薬品キャンペーン2013:より実用的で安価な治療・薬剤の開発を

2013年02月22日掲載

マニカ・バラセガラム医師

国境なき医師団(MSF)の必須医薬品キャンペーンは1999年に始まり、MSFの活動プログラムを通じて援助している人びとをはじめ、すべての人びとを対象とした救命医療、検査手法、ワクチンの開発と利用の促進を目的としている。同キャンペーンのエグゼクティブ・ディレクターであるマニカ・バラセガラム医師に、2013年の展望と目標について聞いた。

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結核治療の負担軽減に道筋

2013年は、薬剤耐性結核(DR-TB)患者の治療法を変革する端緒をつかめるかもしれない。深刻な聴覚障害、ひどい吐き気、精神病などの副作用を起こすことがある薬剤を用いたつらい治療を、2年も続けなければならない時代があまりにも長く続いた。MSFをはじめとする諸団体の長年の提言活動を経て、新しい抗結核薬がついに実用化されようとしている。

ウズベキスタンでは、ロハタフ・アブドゥラエバ(写真左)さんがMSFと同国保健省の治療を受けている。私たちがなすべきことは、彼女のような患者が受けている治療法・薬を速やかに改善し、治療期間と患者負担の大幅な軽減につながるようにすることだ。

予防接種の普及に適したワクチン開発

2013年生まれの子ども2200万人、割合にして5人に1人が、基礎的な予防接種パッケージによる完全な免疫を獲得できないと推算されている。南スーダンのアキル・ボル・マリアンさん(写真)の子どもたちのように完全な免疫を獲得するには、生後1年以内に予防接種を5回受ける必要がある。そのための来院に苦労している人も多い。実用的な新ワクチンもあるが、多くの場合、費用がかかり過ぎる。2013年、MSFは、より実用的で価格の安いワクチンが確実に開発されるよう働きかけていく。

"顧みられない病気"の治療を推進

MSFはさらに、カラアザール(内臓リーシュマニア症)のような"顧みられない熱帯病"(NTD)の治療も継続する。患者のニーズに応じるため、購入しやすい価格で、より効果の高い新薬を求めていく。インドのビハール州で暮らすカミルさん(写真)のように、大勢の患者が低コストで最良の治療を受けられることが望ましい。ほかにも、現代世界の医療研究・開発体制に、そのニーズが反映されていない病気を抱えた患者も多い。

ジェネリック薬製造の展望に注目

また、2013年前半は、世界中の患者がノバルティス社訴訟の行方に注目することになるだろう。製薬企業であるノバルティスは、インド行政に、従来よりもはるかに多くの特許を認めさせようと働きかけてきた。この訴訟は、命を支えるジェネリック薬が途上国に届く道を著しく脅かしている。例えば、ケニアのHIV/エイズ患者、チャールズ・サコーさんの健康と、サコーさんの家族を支える要となっているのもジェネリック薬なのだ。

現在、比較的安価なジェネリック薬の生産が集中攻撃に遭っている。2013年も、MSFは患者団体や、この脅威に立ち向かう人びとの支援を続けていく。

マニカ・バラセガラム医師/MSF必須医薬品キャンペーン・エグゼクティブ・ディレクター

10年あまり経った今も、MSFの医療チームは日々、同じような困難に直面している。治療に用いられる薬、検査方法、ワクチンは、途上国の患者の生活環境にとって最適とはいえない。MSFの必須医薬品キャンペーンはMSFの現地チームと連携し、問題を見極め、その解決のために活動を続けていく。

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