「木の葉を食べ、ボートの上で出産した」——弾圧を逃れたロヒンギャ女性を襲う苦難

2018年03月12日掲載

フマイラさん(手前)と息子のモハマドくん(奥) フマイラさん(手前)と息子のモハマドくん(奥)

ミャンマー西部ラカイン州出身のロヒンギャ難民、フマイラさん(25歳)。2017年10月、故郷マウンドー郡にミャンマー軍の弾圧が及び、夫を連行。第2子の出産間近だったフマイラさんは、息子を連れ隣国バングラデシュに避難した。

2018年1月下旬、ジャムトリ難民キャンプでショック状態に陥っているフマイラさんを国境なき医師団(MSF)のアウトリーチ(※)活動チームが医療施設に搬送。現在、点滴治療を受けている。避難途中に生まれた赤ちゃんも衰弱し、幼い息子だけが頼みの綱だ。フマイラさんは診療所で、自身を襲った困難を打ち明けてくれた。

  • 医療援助を必要としている人びとを見つけ出し、診察や治療を行う活動。

身重の体で必死に逃げ……

MSFの1次医療施設で治療を受けるフマイラさん MSFの1次医療施設で治療を受けるフマイラさん

夫はミャンマー軍に連れて行かれ、消息不明です。軍は私たちを家から引っ張り出し、火をつけて家を焼き尽くしました。ひどく殴られました。そのとき、私は出産間近でした。7歳の息子モハマドを連れ、他の女性と一緒に逃げましたが、この女性とは途中ではぐれました。着の身着のままで数日間、森の中を歩き、森の中で眠りました。お腹がぺこぺこで、木の葉を食べて生き延びました。ようやく川岸にたどり着き、バングラデシュに向かうボートに乗りました。

川の上で生まれた赤ちゃん

生後3ヵ月の妹を世話するモハマドくん 生後3ヵ月の妹を世話するモハマドくん

娘のルジナは川の上で生まれました。ボートで陣痛が始まり、お産は3時間続きました。乗り合わせた女性と船頭が手助けしてくれました。本当に辛かった。赤ちゃんを産むことと、この子を暴力から遠ざけることしか頭にはありませんでした。できるだけ遠くへ逃げることを考え、アッラーだけを信じました。(コックスバザール半島の南端にある)シャ・ポリール・ドゥイプに着くと、バスでジャムトリ仮設キャンプへ連れていかれました。子ども2人と一緒に寝泊りできるよう、テントをもらいました。自力では張れなかったものの、村の人たちが手助けしてくれました。

ジャムトリに来て1ヵ月経った後、人道援助を受けられるようになりました。でも食べ物が足りたことはなく、母乳が出ないため娘は栄養失調に。体が痛んでまともに座れないこともあります。キャンプでもらえる食べ物は息子のモハマドに全部あげています。息子は小さな妹の服を洗い、水汲みにも行ってくれます。この先どんな苦難にあっても私を助けてくれるだろうと望みを託しています。

「森を歩き続け、川の上で赤ちゃんを産みました」 ミャンマー軍がやってきたのは、第2子の出産を間近に控えたある日のこと。夫を連行され、自身も軍から暴行を受けたロヒンギャ女性は、息子を連れて命がけの旅に出ました。 バングラデシュの難民キャンプにたどり着くまでの過酷な旅路について、国境なき医師団(MSF)に打ち明けます。

国境なき医師団 日本さんの投稿 2018年3月7日(水)

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