中央アフリカ共和国:避難生活と闘病と――HIV陽性の夫婦が語る

2016年07月20日掲載

MSFのもとで治療を受けたフォスタンさん(左)とオルガさん MSFのもとで治療を受けたフォスタンさん(左)とオルガさん

中央アフリカ共和国の紛争で、大勢の住民が避難しているムポコ避難キャンプ。国境なき医師団(MSF)はここにも診療所を設置し、無償の医療・人道援助を続けている。フォスタンさん(仮名、34歳)とオルガさん(仮名)の夫婦は、キャンプ内のMSFのもとで治療を受けていた。

2人ともHIV陽性だ。フォスタンさんは肺外結核にも苦しんでおり、MSF診療所から地域の病院へと転院した。避難と闘病という2つの過酷な生活を続けている夫婦が、MSFに胸の内を明かす。

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九死に一生、妻のおかげ

フォスタンさんのレントゲン写真を確認するMSFスタッフ フォスタンさんのレントゲン写真を確認するMSFスタッフ

フォスタンさん:さまざまな仕事に就いてきました。運転手などですね。病気になる直前の職業は警備員でした。夜間勤務で何度もマラリアに感染し、そのたびに40℃を超える大変な高熱が出るんです。治療は受けるものの、お手上げでした。ある日、首都のバンギの小児病院で胸部レントゲンを撮影し、喀痰(かったん)の検査もしたんです。3日後に受け取った結果は「喀痰は陰性。ただし肺に影あり」でした。

ある日曜日、妻が教会に行こうとしていたのですが、結局取りやめたことがありました。もし、妻が教会に行っていたら、私は助からなかったかもしれません。うたた寝をしているときにけいれんが始まり、息ができなくなったのです。妻がタクシーを呼んでくれて、運ばれた先がムポコ・キャンプのMSF診療所でした。重度貧血と診断され、大量の輸血を受けました。その後、このコミュニティー病院に転院し、肺から膿を抜きました。今日も再びその治療を受ける予定です。

「HIV検査はいやか?」

MSFの診療所前に列をなす人びと MSFの診療所前に列をなす人びと

オルガさん:私はずっと痛みが続いていました。病院勤務だった夫の兄弟に、「HIV検査はいやか?」と聞かれたんです。そんなことはなく、夫とともに検査を受けた結果、2人とも陽性だとわかったのです。2016年に入ってから抗レトロウイルス薬(ARV)治療を始め、治療薬の補充はもう3回目となります。

フォスタンさん:医師の面談の日にはきちんと来院しなければならないと思っています。MSF以外のところで医療施設にかかっていたら、診療費を請求され、場合によっては借金も抱えていたでしょう。ARV治療は全く滞りなく続いています。ただ時折、特に女性たちの間で、薬の配布場所で"争奪戦"が起きてますけどね。

MSFは1997年から中央アフリカ共和国で活動。首都バンギのプロジェクトは公立のコミュニティー病院との連携のもと、2016年3月に始まった。これまでにHIV/エイズと結核の治療を提供した患者は月平均約100人にのぼる。

MSFが支援している施設で受け入れている患者数は、ARV治療を受けている患者の約19%(4813人)にのぼる。同国では、もとより脆弱な保健医療体制が紛争でさらに荒廃し、HIV/エイズのケアに多大な困難を及ぼしている。

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