マラウイ: 難民急増、現地で求められていることは?

2016年01月27日掲載

MSFで医療活動マネージャーを務めるボート・ザマデンガ MSFで医療活動マネージャーを
務めるボート・ザマデンガ

アフリカ南東部のモザンビークからマラウイに逃れ、難民となる人が増えている。マラウイで、国境なき医師団(MSF)が提供しているHIVの検査・治療・予防の普及を進める活動に携わっているボート・ザマデンガに、現地の状況について聞いた。

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難民が増え始めたのはいつからですか。

カピス村の難民キャンプ カピス村の難民キャンプ

2015年7月に701人が到着しました。彼らは国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によって、ルワニ難民キャンプへ移送されました。モザンビークの紛争を逃れてきたそうです。ただ、701人のうち大半は2ヵ月以内にモザンビークのテテ州に戻り、145人がマラウイへの入国地点であるカピス村に移されました。

11月には、2度目の「波」が来ました。現在、3000人近くが不安定な生活環境で滞在しています。大多数は女性と子どもで、保護者のいない未成年もいます。

人びとはなぜ避難してきているのでしょうか。

彼らは「反政府勢力(モザンビーク民族抵抗運動<RENAMO>)を支持しているという理由で、モザンビーク政府軍から報復攻撃を受けた」と話していますが、その背後になにがあるのかはわかりません。

身体への暴行や心的外傷後ストレスの形跡は見られません。大抵の人は、自分自身の体験ではなく、家族や近隣住民への暴力など目撃したことについて話しています。

症例の多くは、2~3日歩き続けたことによる身体の痛みです。特に子どもに、そうした症状が出ています。

難民キャンプ内はどのような状況でしょうか。

難民は不安定な環境で生活しています。仮設住居は全世帯分が用意されておらず、雨期の最中であることも災いして、生活は困難になるばかりです。清潔な水は足りず、衛生状態もよくありません。

カピス村周辺の風景は急激に変わっています。人びとがやむにやまれず木を切り倒し、仮設住居を作っているからです。マラリアも深刻です。村は2ヵ所の大きな沼地の間に位置しています。ほとんどの人は着の身着のままで逃げてきたので、蚊帳を持っていません。

2015年11月以降、マラリア症例の70%を5歳未満の子どもが占めています。給排水や衛生設備などが整備された難民キャンプを、UNHCRが早期に新設してくれることを望みます。全世帯分の仮設住居や蚊帳を用意し、生活環境を改善することが急務です。

MSFは、マラウイ南部のンサンジェ郡に常駐し、保健省への支援を通じてHIV/エイズ患者への治療にあたっている。またテテ州でもHIVプログラムを運営しつつ、緊急事態には迅速に対応できる体制を維持している。

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