ヨルダン:「この病院は第2の家です」――MSF再建外科病院の子どもたち

2015年09月10日掲載

ヨルダンの首都アンマンで、国境なき医師団(MSF)は紛争で重傷を負った人びとに専門的な外科治療を提供する再建外科病院を運営している。対応分野は幅広く、顎顔面外科、形成外科、再建外科、神経移植や手の手術などを含む微小外科(マイクロサージェリー)などさまざまな患者を受け入れている。病院で治療を続けている少年2人に話を聞いた。

ヨルダン:高度な専門外科を紛争被害者に――MSF病院を刷新

「義足でも気にしないよ」――ムスタファ・イルシャド君(14歳)/ダルアー県サイダ村

2013年9月29日のことだった。その日、ムスタファ君は父が勤めているレストランで、いつものようにホールの手伝いをしていた。料理を客席に運んでいるとき、突然、爆音が鳴り響いた。レストランの近くに爆弾が落ちたのだ。気づいた時にはひどいけがを負っていた。一命を取り留めたが、片腕と片脚のひざから下を切断しなければならなかった。

翌年、ヨルダンの首都アンマンでMSFが運営している再建外科病院に紹介された。以降、骨の移植手術を3回受け、理学療法も続けている。筋力をつけ、関節の稼動域を広げて、もう一度自分の力で立つためだ。ムスタファ君のもとには、間もなく義手と義足が届く手はずになっている。

ムスタファ君からのメッセージ

新しくなったMSFの病院はいい感じだと思います。広くなったし、手術の合間に他の患者さんたちと、いろいろなことを一緒にできるようになったから。

この病院で、僕と同じようなけがの患者さんに何人も出会いました。みんなMSFの治療を受けてよくなってるよ。病院には父さんが付き添ってくれてます。「がまんするんだぞ。いつか必ず治療が終わる日がくるんだからな」って。

シリアではね、午後はだいたい友達とサッカーをしてました。この治療が終わったら、またサッカーをしたい。義足でも気にしないよ、またボールを蹴れるんだったら。

「たくさんの友達ができました」――アーマド・カリファ君(15歳)/イラク・ディヤーラ県

写真撮影に笑顔で応じてくれたアーマド君。しかし、重傷を負った日のことは話したがらない。2010年10月、彼が通っていた学校の数m先に止まっていた車が突然、爆発した。一瞬で炎に取り囲まれ、救急車のサイレンが聞こえた。覚えているのはそれだけで、忘れてしまいたい記憶なのだ。

MSFの再建外科病院に紹介されてきたのは2011年。アーマド君は顔、首、両腕などあちこちに重度のやけどを負い、専門的な治療が必要だった。しかし、イラク国内ではそれが望めなかったのだ。来院して4年。これまでに22回の手術を受けた。次の手術は9月第3週を予定している。

アーマド君からのメッセージ

この病院は僕にとって第2の家です。ほかの患者さんたちと友達になれました。イラクにいたときよりもたくさんの友達ができたんだ。

新しい病院は、前の病院よりも便利になったと思います。みんなで集まって、テレビでサッカーの試合を観ることもできるんだ。僕はレアル・マドリードのファンだよ。これからもずっと応援し続けます。

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