エチオピア:南スーダンの紛争激化により難民が急増

2015年05月29日掲載

リトゥカー・キャンプに滞在している避難者たち リトゥカー・キャンプに滞在している避難者たち

紛争が続いている南スーダンでは、住民の避難が数十万人規模で起きている。既に200万人が国内外で避難生活を送っているとみられる。一部の紛争地では、国境なき医師団(MSF)を含む複数の援助団体が活動の一時中止に追い込まれている。その結果、命をつなぐ援助を届けられなくなっている地域もある。

エチオピア西部のガンベラ州には、新たに6000人以上が避難した。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、エチオピアには20万人以上の南スーダン人難民が滞在している。さらに、現在も毎日、避難者が到着しているという。

エチオピアでMSFの活動責任者を務めるシルヴァン・ペロンに、現状と援助ニーズについて聞いた。

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南スーダンとエチオピア国境地帯の現状について教えてください。

給水に長い列をつくる避難者たち 給水に長い列をつくる避難者たち

南スーダンの内戦が激化し、最近も10万人以上が避難したと報じられています。エチオピアに逃れてくる南スーダン人も増えています。

UNHCRによると、南スーダンからエチオピアへの主要な入国地点の1つであるパガクでは、2015年5月上旬から避難者が増え続け、過去数ヵ月を大きく上回る勢いだそうです。この統計には、まだ難民登録をすませていない人も含まれています。一時滞在キャンプや国境付近にとどまり、エチオピア当局とUNHCRが新設した難民キャンプに向かう機会を待っています。

新たに到着した人びとの生活は不安定です。南スーダンからの避難中に、マラリア、下痢、皮膚疾患などの病気になっている方が大勢います。

MSFを含む各団体が連携して援助活動を行うための戦略はありますか。

2014年に大勢の避難者が到着する事態が何度もあり、ガンベラ州で活動する全ての援助団体が、できる限りの対応を続けました。到着のピーク後に雨期に入り、状況はさらに難しくなりました。今年は、避難者が到着するペースが昨年と比べて緩やかなため、各団体ともパガクでの活動を再開しています。

UNHCRはエチオピア政府難民帰還民庁(ARRA)と連携してキャンプ移転に着手しました。より手厚い保護と人道援助を行うためです。5月上旬以降、南スーダンとの国境付近に設置されたリトゥカーとニプニプの両キャンプから新設のジュウィキャンプへ、4万人以上が移住しました。リトゥカーとニプニプは洪水になりやすいという欠点がありました。ジュウィは州都のガンベラから18kmと、近い距離に設置されています。

ジュウィは洪水が起きにくく、援助活動が行いやすい土地です。もっとも、各団体とも移転のペースについていくのに必死です。1日で平均3500人が移住しているため、トイレや水が不足し、テントの設置が追いついていない状況です。

MSFはどのような活動をしているのでしょうか。

イタンのMSF診療所で診察を待つ人びと イタンのMSF診療所で診察を待つ人びと

MSFはパガクの入国地点で週6日、診療を行っています。急患はイタンのMSF診療所に搬送しています。

移住にあわせてリトゥカーでの活動は縮小し、ジュウィに軸足を移していきます。そこでは診療、救急医療のほか、一部の入院治療も行っています。5月中旬に活動を開始し、これまでに1500件の診療を行いました。近いうちにベッドを75床に増やし、産科とアウトリーチ活動(※)も開始する予定です。さらに、必要に応じて活動を拡大する準備もできています。

  • こちらから出向いて、援助を必要としている人びとを積極的に見つけ出し、サービスを提供すること。

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