グルジア:ゴリで新たな活動を開始

2008年09月19日掲載

国境なき医師団(MSF)のチームは、8月に勃発したグルジアとロシアの戦闘で被害を受け、ゴリ市内に最近になって身を落ち着けている避難民たちの援助を行っている。グルジアにおける緊急プログラムコーディネーター、フィリップ・リベロにこの新たな活動の状況について聞いた。

MSFは現在、ロシア軍に数日間占拠されたグルジア中部の都市ゴリで援助活動を行っています。その理由は?

アルカリバキのキャンプの様子 アルカリバキのキャンプの様子

ゴリから避難した人びとの帰還に付き添っています。大勢の人がロシア軍の撤退後にゴリに戻ってきたからです。中には、南オセチア自治州での戦闘から逃れてきた人、ロシア軍に占拠された村々の住民、南オセチア人、そして避難しなかったゴリ住民もいます。多くの人は、ゴリから90km離れた首都トビリシに避難していました。しかしグルジア政府は彼らをゴリに移すことを決めました。南オセチア「国境」沿いの村々から来たたちは近日中に自宅へ戻れることを期待していますが、まだ確実な見通しはありません。さしあたり、私たちはゴリに避難している他の人びとと同じように彼らにも援助を提供しています。

具体的にMSFはゴリでどのような活動を行っているのですか?

グルジアとロシアとの戦闘は8月7日から8日の夜にかけて勃発しました。MSFは8月14日からトビリシに避難した人びとへの医療援助を開始し、9月1日からはゴリでも同様の活動を展開しています。提供しているのは慢性疾患を中心とした一次医療や心理ケアです。3つの移動診療チームが幼稚園などに設けられた共同避難所を巡回し、その場で診察を行っています。また必要に応じて患者を中央総合病院へ移送しています。この総合病院でも、MSFのチームがアルカリバキのキャンプでテント暮らしをしている避難民の家族を対象に診療を行っています。また衛生用品などの配布を行い、物資面での援助も提供しています。

病院の救急部門への支援も続けており、慢性疾患治療のための医薬品を提供しています。

また、南オセチア自治州のツヒンバリに通じる道の側からゴリ周辺の村々に人びとが戻り始める際には、チームを派遣して帰還してくる人びとに付き添う予定です。

グルジアは人道的危機の状況にありますか?

アルカリバキのキャンプの様子 アルカリバキのキャンプの様子

避難民に対する援助はあと数か月続ける必要があるでしょう。状況は困難で、南オセチア自治州からの避難民にとって先の見通しはあまり明るいものではなく、自宅に戻れる見込みはほとんどないからです。

武力衝突の間には若干混乱し手一杯となっていた医療機関は、急速に正常な状態に戻っています。医療機関は当時、緊急患者への対応に専心しており、非常に効果的な救急車による搬送体制によって、容態を安定させた後に負傷者をトビリシに移送していました。現在ではほぼ正常に機能しています。

状況は危機的ではありません。しかし、ゴリの自宅へと戻った避難民たちに対していかに医療へのアクセスを保証するかが問題となっています。当初、これらの極度の不安定な状況に置かれた人びとは無償で医療を受けることができました。しかし、もし再び民営の医療制度を利用することを強いられ

るようになれば、苦境に陥ることになるでしょう。

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