ラオス:ビエンチャンでもHIV/エイズ患者へのARV治療が可能に――患者へのインタビュー――

2006年10月30日掲載

以下に、ビエンチャンで開始されたARV 治療に参加している患者の声をお届けする。両氏はそれぞれ、新規患者のカウンセラーとして、また「HIV/エイズとともに生きる会」のメンバーとしても活動している。

なお、倫理上の理由から患者の実名は伏せてある。

B氏は2005年4月にHIVに感染したことが判明し、翌月からサバナケットで治療を受け続けてきた。同地にはラオス国内で唯一抗レトロウイルス(ARV)薬治療を受けられる場所であったためである。

現在は、地元のビエンチャンでもARV治療を受けることができるようになった。B氏は新規患者のカウンセラーとしてビエンチャンのセンターでの活動に参加している。

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ビエンチャンでARV治療へのアクセスが可能になってよかったですか?

はい。サバナケットまで治療を受けにいくことはとても疲れますし、それにお金もかかります。毎回治療にでかけるたびに約25万 キープ(約3千円)の交通費が必要でした。でも今では家の近くで治療をうけることができ、その分費用も安く済みます。

ビエンチャンでの日常生活において、この病気のために何か問題が生じていることはありませんか?

周囲の人たちには常に自分の症状を包み隠さず知らせています。ですから今のところ、誰も私に対してネガティブな反応を見せる人はいません。
私にとって、日常生活で最も大きな問題はむしろ経済上の悩みです。

あなたは生涯治療を受け続けなければなりませんが、将来のことで何か望むことはありますか?

今の懸念材料は治療プログラムが終了したときに、いったい誰が治療薬や検査にかかる費用を負担してくれるかということです。ラオス政府がその役目を行ってくれることを願っています。私にとって問題は自分や家族を養うお金が不足していることです。ここで行っているカウンセラーの仕事で報酬がもらえると良いのですが。

ボランティアとしてカウンセラーで働くことを決めた理由は?

友達や病院のスタッフの手助けをしたかったからです。

28才のT氏は、ビエンチャンに住むセタティラート病院の患者である。昨年5月にHIVに感染していることを知り、今年8月から同病院でARV治療を受け始めた。

ビエンチャンでARV治療が受けられるようになったことをどう思われますか?

今年の7月にセタティラート病院の医師からARV治療を受けるためにこの病院に来るように勧められました。でもそのとき私はとても衰弱しており、それに十分なお金も持っていませんでした。

しかし、8月末には治療を受けたいという私の希望が実現しました。それもこれもラオス政府、保健省、セタティラート病院、そしてMSFのお陰です。私はビエンチャンでARV治療を受けた最初の患者になりました。もう独りぼっちではありません。8月以来患者数が22人に増え、さらにそれまでサバナケットで治療を受けていた140人の患者が加わったからです。

今では生まれ変わったような気がしています。確かにエイズに感染してしまいましたが、再び元気を取り戻しています。これらの医薬品を提供してくれたすべての人たちに感謝しています。

ビエンチャンでの日常生活において、この病気のために何か問題が生じていることはありませんか?

一番の問題はお金です。生活費はもちろんですがその他にも費用を工面しなければなりません。心電図、超音波検査、レントゲン検査、および治療プログラムでは支給されない医薬品などの費用は自分で払う必要があるためです。

家族や友人たちは私がHIVに感染していることを知っていますが、面と向かっては何も言いません。

しかし、婉曲に拒絶されたことのある患者や病気であることを隠している患者もいます。例えば、身内の人たちは、面と向かっては何も言わなくても決して同じスプーンを使いたがらないそうです。多くのHIV感染者は、他の人たちの反応を恐れて感染していることを隠しているのです。

あなたは生涯治療を受け続けなければなりませんが、将来のことで何か望むことはありますか?

「HIV/エイズとともに生きる会」を代表し、ラオス保健省およびその他の組織に対しMSFの治療プログラムが完了した後も、引き続きARVを提供してくれるようお願いしたいです。

私はここでボランティアとして働いています。自分さえよければいいのではなく、他の全員のことを考えることが必要だからです。

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