世界結核デー2013:"薬剤耐性結核"を知っていますか?

2013年03月21日掲載

3月24日は世界結核デーです。結核には、世界人口の3分の1が感染しており、毎年900万人以上が新たに発症、150万人が亡くなっているとみられています。さらに近年、結核の治療薬に耐性ができてしまった薬剤耐性結核(Drug Resistance Tuberculosis = DR-TB)が問題となっています。

DR-TBは、治療の中断や不適切な治療が主な原因です。感染力が強く、治療をしなければ命を落とすこともあります。その治療は困難を極めます。毎日、大量の薬を飲み、注射を続けなければならず、大半の人が重い副作用に悩まされます。治療期間は最長2年。にもかかわらず、現状では、治る確率は50%なのです。

この特集ページでは、国境なき医師団(MSF)が世界各地で行っているDR-TB治療をお伝えします。また、患者と医療スタッフが"マニフェスト"を通じ、いま必要な取り組みについて呼びかけています。ぜひご一読下さい。

MDR-TB:センゾ君の場合

センゾ君は、アフリカの南部・スワジランドという小さな国で、おばあさんと一緒に暮らしています。薬剤耐性結核(MDR-TB)にかかり、治療を受けています。センゾ君がナレーションをしたこちらの動画をご覧ください。(日本語字幕、1分31秒)

子どもの結核患者への対策は、長い間手つかずでした。特に、MDR-TBの対策が遅れていました。結核治療・診断法を革新し、確実かつ迅速に実用化する必要があります。また、MDR-TBの治療薬を子ども用に調剤することも重要です。

マニフェスト「TEST ME, TREAT ME」

薬剤耐性結核(DR-TB)の感染者と医療提供者は、治療環境の速やかな変革を求めます。

私たちDR-TB患者は、世界中にいます。

ほとんどの人は、劣悪な環境で生活していてDR-TBから身を守れず、感染してしまいました。診断を受けなければ、DR-TBはさらに拡大していきます。治療しなければ、命が失われます。しかし、私たちの国で迅速で的確な診断を望むことは非常に困難です。現実に、有効なDR-TB治療を受けているのは、患者の5人に1人です。

マニフェスト全文と図解はこちら

MSFの結核治療の取り組み

MSFは世界各地で、薬剤耐性を含む結核の治療を援助しています。その対象は幅広く、生後まもない赤ちゃんや刑務所内の受刑者も含まれます。なぜこうした取り組みが必要とされているのでしょうか?

タジキスタン: 生後9ヵ月で"薬剤耐性結核"に

タジキスタンの首都ドゥシャンベの小児結核病院には、シリンモちゃん(仮名、生後9カ月)ほど活発で元気な子どもはいない。はつらつと待合室の床を"はいはい"して回る。しかし、近づくと、ゼエゼエという呼吸音が聞こえるだろう。とてもつらい、あの病気だ……

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ウクライナ: MSFはなぜ、刑務所での結核治療を援助するのか?

一時は減少しているとされた結核。しかし、旧ソビエト連邦の多くの国では、ソ連崩壊後の社会・経済の衰退に伴い、結核の流行が急速に拡大している。ウクライナも例外ではない。特に、刑務所が結核の温床となっている。刑務所内の有病率は……

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