シリア:内戦下のMSF医療援助――国内での活動開始から1年

2013年08月27日掲載

ぜんそくが重症化して呼吸困難となり、
MSF病院に運ばれた男の子

「国境なき医師団(MSF)がダマスカス県内で支援している3ヵ所の病院が、8月21日の午前中の3時間で、神経毒性の症状のある患者約3600人を受け入れた。そのうち355人はすでに亡くなったとみられる」――内戦が激化しているシリアから、衝撃的な報告が伝えられました。

MSFは2012年6月、シリア国内での緊急医療援助を決断。2013年8月現在、病院6ヵ所と医療センター4ヵ所を運営・支援し、移動診療チームも活動しています。MSFは現在も、シリア国内および周辺国で難民として生活している人びとを対象に、医療・人道援助を続けています。

シリア:MSFの声明は軍事行動正当化の材料ではない

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シリア国内での主な活動内容と件数

空爆の被害を受けた人、銃で狙撃された人、拷問に遭った人など外傷・熱傷患者が多数を占めています。一方、内戦の長期化に伴い、慢性疾患の患者、妊産婦、子どもたちの予防接種などさまざまな医療ニーズも高まっています。

外科治療 3416
診療(救急、外来、移動診療を含む) 66902
母子保健・産科医療 1428
はしかの予防接種 77801
ポリオの予防接種(5歳未満児) 3317

(2013年7月末時点)

シリア:「手持ちのもので最善を尽くす」――内戦下の医療援助

爆弾の破片による負傷だけでなく、一般的な健康問題を抱える人も数え切れない。平時であれば完全に管理可能な病気でも、通常の保健医療が突然利用できなくなる戦時には瞬く間に人命を奪うことがある。

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シリアおよび周辺国での活動規模

MSFの活動はシリア国内にとどまらず、周辺国で難民として生活している人びとも対象としています。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の統計では、難民数は約190万人(2013年8月時点)にも上ります。

MSFは2013年7月上旬時点で788人のスタッフを派遣しています。ヨルダンやイラクには大規模な難民キャンプがあります。MSFは現地で、医療援助に加え、清潔な水、燃料、毛布などの生活必需品の配給なども行っています。

「派遣国別のスタッフ数(2013年7月上旬時点)」シリアが47% レバノンが16% トルコが8% イラクが11% ヨルダンが18% 「シリアおよび周辺国の活動費(単位:千ユーロ、2013年7月12日時点)」 シリアが約25000 トルコが約1000 レバノンが約6000 イラクが約4000 ヨルダンが約2000

レバノン: シリア人難民の出産環境の改善目指す

「レバノンに着いた時は妊娠7ヵ月でした。シリアでは大勢の親戚が殺害され、私は恐怖でパニック状態でした。徒歩で何時間もかけてレバノンの国境を超えたのですが、出血が始まったので流産を心配しました」――アレッポから逃れてきたシリア人難民マリアムさん(18歳)はそう振り返る。

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戦争の重荷を背負って

内戦下の国内にとどまる人、周辺国へ避難する人、避難生活に疲れて帰還する人、欧州への移住を目指す人……立場はさまざまですが、誰もが"私たちはどこへ向かえばよいのか"という苦悩を抱えています。難民となって生活している人びとの証言に耳を傾けて下さい。

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