「エボラが勝利しつつある」――今すぐ行動を!

2014年10月03日掲載

西アフリカのギニアから始まったエボラ出血熱の流行は、感染制御ができずに拡大し、国際問題へと発展してしまいました。流行地域となったリベリアは「国家存亡の危機」と訴え、シエラレオネでも感染者が相次いでいます。また、ナイジェリアやセネガルでも感染例が報告されています。西アフリカとの関連は不明ですが、アフリカ中部のコンゴ民主共和国でも、熱帯雨林の奥地でエボラ流行が確認されています。

国境なき医師団(MSF)は、各流行地域にエボラ治療センターを設置。各事務局から派遣した約260人と現地スタッフ約2800人が、緊急対応にあたっています。また、MSFインターナショナル会長のジョアンヌ・リュー医師が国連総会で演説するなど、国際社会に対して緊急援助の重要性を呼びかけ続けています。

MSFのエボラ治療センター内での活動の様子や、国連総会での演説の模様を動画でお伝えします。(日本語字幕、2分27秒)

MSFから各国首脳への呼びかけ

ジョアンヌ・リュー医師/MSFインターナショナル会長

「エボラが勝利しつつある」――9月25日・国連総会
「各国政府はなぜ動かないのか」――9月15日・スイスのジュネーブで

「それらは即座に行動に移されなければ意味がありません。強く望まれているものがまだ届かない――これが現実です。」

ジャクソン・K.P.・ナイマ/MSFエボラ治療センター(リベリア)のチームリーダー
「MSFだけではエボラと闘えません」――9月18日・国連安全保障理事会

ブリス・デ・ル・ヴィンヌ/オペレーション・ディレクター
「助ける力がある国は行動を!」――8月29日・世界保健機関(WHO)の計画を受けて

参考記事:国際社会の対応が遅れた結果、現場で実際に起きていることをご報告します。
「帰ってください」――MSFエボラ施設の前で何が?

あきらめずに対応を!エボラを克服した人びと

エボラ出血熱の致死率は、20%程度から最大90%にまで達し、特効薬はまだありません。その事実が人びとの恐怖心をかきたて、治療・予防などの対策を難しいものにしています。一方、早期に感染を確認し、良質なケアを行うことで自己免疫力を高めることができれば、回復が期待できます。下記でご紹介している方々のように。

シエラレオネのMSFエボラ治療センターにて
シエラレオネのMSFエボラ治療センターにて

上段右: サラさん(32歳)は毎日、夫の見舞いに来ています。夫は病院職員で、エボラ患者の手当てをしていて手袋が破れ、感染してしまったのです。

上段中央: テワさん(20歳、右)は一刻を争う容体でした。付き添ってきた母(左)も陽性と診断されました。しかし、1週間で2人は歩けるまでに回復したのです。

上段左: エボラを怖がっていたテワさんの伯母のファトゥマタさん(60歳)が、2人の回復を聞いて見舞いに来てくれました。

左列中央: タンバさん(17歳)は、叔父をエボラで亡くした2日後に体調を崩しました。原付タクシーを12時間走らせてMSFの治療センターに駆け込み、命を取り留めました。早期治療を受けられたことが奏功しました。

左列下: フィンダさん(22歳)は、この治療施設の最初の退院者です。残念ながら夫は助かりませんでした。それでも彼女は、"生還"できたことを前向きにとらえ、また農作業に精を出すつもりです。

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