広がり続けるエボラ!いま私たちにできることとは?

2014年07月03日掲載

MSFの治療を受けてエボラが完治した女性 MSFの治療を受けてエボラが完治した女性

西アフリカのギニアで、2014年3月下旬に報告されたエボラ出血熱は、3ヵ月を過ぎたいま、周辺のシエラレオネやリベリアにも飛び火し、流行が続いています。患者が確認された場所は3ヵ国で計60ヵ所に及びます。

国境なき医師団(MSF)は、過去に複数の国でエボラの緊急対応を行った経験をもとに、専門治療施設を設置し、300人規模の態勢で治療・予防を行っています。

どうして感染が広がったの?

5月下旬~6月上旬にかけ、終息しつつあるとみられていましたが、新規感染者が再び報告されるようになりました。原因の1つには、西アフリカで初めてのエボラ流行で、地域の方々に予防・治療の知識がなかったことが挙げられています。病院に運ぶことをためらったり、亡くなった人を別の場所に運んで葬儀を行ったりしたケースも報告されています。

また、エボラの第1期の症状が現地の風土病となっているマラリアの症状と似ていることから、判断が遅れてしまうこともあるようです。また、感染が疑われながら出国してしまったケースも報告されており、追跡が課題となっています。

エボラってどんな病気?

ウイルス性の感染症です。感染者か感染した動物の尿、汗、血液、母乳などの体液を通じて感染します。致死率の高さが特徴で、20%程度から最高で90%程度に達することもあります。

感染の第1期では、21日間の潜伏期を経て、高熱、頭痛、筋肉痛、結膜炎、全身衰弱を引き起こします。第2期では、おう吐、下痢、発疹がみられます。

感染者の体内では、血中でウイルスが増殖し、免疫系をまひさせる反応が起こります。しかし、潜伏期間は症状がでません。生体反応が出始めた頃には、すでに血管に血栓ができ、血流が妨げられた状態となっています。そのため、体内の複数の場所で大規模な出血が起き、鼻や尿から多量に出血することがあるのです。

MSFはどのような取り組みをしているの?

隔離施設内で使用された防護グッズは使い捨てまたは完全消毒する 隔離施設内で使用された防護グッズは
使い捨てまたは完全消毒する

特効薬がないため、対症療法で死亡率を下げることが最善策です。マラリアなどほかの病気になっていないことを確認し、脱水症状の患者には点滴を打ちます。ビタミンと鎮痛剤も有効です。

ただ、患者が意識を失い、多量に出血し始めた場合は助かる望みがありません。この時点から、苦痛を和らげ最期まで寄り添う看護に切り替えます。

感染者の治療にあたるスタッフ全員が、防護服、手袋、マスク、ゴーグルを着用します。これらの防護グッズは2時間おきに取り替えます。

感染拡大を食い止めるためには、患者と接触したすべての人を追跡し、検査する必要があります。感染の疑いがあり、兆候が表れた人はすぐに隔離します。この活動にも大きな労力とコストがかかります。

感染リスクを下げるために予防措置をとることも重要です。手洗いをするなど基本的な衛生手順でリスクを大きく下げられます。この活動は、MSFを含む複数の団体が行っています。

これまでの経緯

西アフリカ:なぜエボラがここまで流行したのか?――MSF医師の見解(下)

西アフリカ:なぜエボラがここまで流行したのか?――MSF医師の見解(上)

西アフリカ:治療と感染制御に全力――MSFのエボラ緊急対応

西アフリカのエボラ出血熱:MSFの対応も限界に――大規模対策が急務

ギニア/シエラレオネ:エボラの感染例が再び増加

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