国境なき医師団インターナショナルの会長にジョアンヌ・リュー医師が就任

2013年10月01日掲載

MSFインターナショナル新会長のジョアンヌ・リュー医師 MSFインターナショナル新会長の
ジョアンヌ・リュー医師

国境なき医師団(MSF)は本日、MSFインターナショナルの新会長にジョアンヌ・リュー(Joanne Liu)医師を迎える。リュー医師は6月のMSFインターナショナル総会で選出された。

就任にあたってリュー医師は、「MSFは現在、多くの課題を抱えています。刻々と状況が変化する中で、アフガニスタン、ソマリア、シリアのような紛争下の苦境に置かれた人びとにいかに救命医療を届けるか、どうすれば患者と援助スタッフの安全を最大限に守れるか、そうした課題に向き合うとき、常に患者のニーズを中心に据えなければなりません」と述べている。

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彼女とともにジュネーブのオフィスで執務にあたるMSFインターナショナル事務局長のジェローム・オベレは、「現場の医療活動や活動プログラムの運営といった、リュー医師のMSFにおける幅広い経験と、患者が常に中心であると考える情熱が、今後MSFの進むべき道の足固めとなるでしょう」と期待を寄せている。

リュー医師はカナダのケベック出身。マギル大学医学部で学び、ニューヨーク大学医学部の小児救急医療フェローを経て、マギル大学ヘルス・リーダーシップ国際修士課程修了。現在、モントリオール大学准教授を務めるほか、上海の復旦大学での教職歴もある。

1996年、初めてMSFに参加し、モーリタニアのマリ人難民を対象とした活動を行った。その後、スマトラ島沖地震による津波被害を受けたインドネシア、ハイチの大地震とコレラ流行に見舞われた人びと、そして、ケニア国内のソマリア人難民への援助に従事。コンゴ共和国の性暴力被害者に包括的な医療ケアを提供する先駆的なプログラムの立ち上げにも参加している。またパレスチナ、中央アフリカ共和国、スーダンのダルフール地方など紛争地での活動経験も豊富だ。

1999~2002年はパリのMSFフランスで活動統括責任者、2004~2009年はMSFカナダ会長を歴任。医療が届きにくい遠隔地150ヵ所のMSF医師と世界各国300人余りの医療専門人材プールをつなぐ遠隔医療プログラムの創設にも携わった。2013年には、カナダ王立内科・外科医師協会のティーズデール=コーティ人道活動賞を受賞している。

リュー医師の着任とともに、前任者のウンニ・カルナカラ医師の任期は満了する。オベレはカルナカラ医師の任期を次のように表現している。「カルナカラ医師は、ソマリアからの撤退を決断するといった、とりわけ難しい時期のMSFを指揮したという印象が強いでしょう。一方で、活動地のスタッフの言葉に耳を傾け、懸念点を行政担当者や学識者と話し合うためといった努力も惜しまぬ人でした。人格者らしい振る舞い、無限の活力、そして医療を必要とする人びととその医療を提供しようとする人びとが最優先という視点をもって、会長の任にあたってきたのです」。

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