チャド:南東部の村々に数日間で1万人以上の難民が到着

2013年04月15日掲載

チャド南東部に位置するティシ村など5つの村とその周辺地域には、約3ヵ月にわたって合計約2万5000人の難民および帰還者が滞在している。2013年4月4日以降、その場所に新たに1万人が到着した。彼らは国境から10km離れた隣国スーダン中央ダルフール州のウム・ドゥクンにおける激しい戦闘を逃れてきた人びとで、さらに大勢の人びとがチャドに向かっているものと見られている。国境なき医師団(MSF)は、食糧・救援物資配給の手配を緊急に進める必要があると、同地で活動する各援助団体に呼びかけている。

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近年では最大規模の難民流入

ダルフールの武力抗争を避け、ティシ村に身を寄せる難民

新たに到着した難民たちは「武装して馬に乗った男たちに村が襲われ、焼き打ちに遭いました」と口をそろえて話す。家族や隣人が殺害され、女性や子どもは家財を置き去りにしたまま避難したという。スーダンの北・中央ダルフール両州では、複数のアラブ系部族間の抗争が再燃。数ヵ月を経た現在、状況は著しく悪化している。

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、負傷者数十人を含む1万人余りが、既に2万5000人の滞在する地域に到着、ダルフールからチャドに逃れた難民の数としては近年では最大規模となっている。約3分の1がスーダンまたは中央アフリカ共和国の出身だが、残る3分の2はスーダンのダルフールや中央アフリカに移住していたチャド人だ。女性の割合は全体の90%以上を占める。滞在場所は木陰や間に合わせの小屋のようなもので、今のところ、援助は届いていない。

現在、MSFはティシで負傷者の治療にあたり、重傷患者はゴズ・ベイダやアベシェの病院に紹介している。ティシ周辺では、はしかの流行にも対応している。チャドにおけるMSFの活動責任者、アレクサンドル・モーランは、「サラフ・ブルグだけで、35件のはしかの症例を確認しています。これは同地で行った診療件数の25%にあたります。はしかが原因でこれまでに7人の子どもが亡くなっており、そのうち5人が5歳未満でした」と語る。MSFはチャド保健省と協力し、間もなくティシ全域を対象に緊急予防接種を開始し、重度急性栄養失調の治療や小児救急医療の提供を行う予定だ。

その他にも課題は多い。難民たちには食糧の備蓄がなく、清潔な飲用水もほとんど手に入らない。状況は著しく不安定で、国内で活動する援助団体は緊急に食糧・救援物資配給の手配を進める必要がある。モーランは、雨季に入れば緊急性はさらに高まると予測「今やらなくてはならないのです。2ヵ月後には、この地域の交通は遮断されてしまいます」と話している。

MSFは1983年からチャドで活動。現在は、アベシェ、マサコリ、アム・ティマン、モイサラで活動プログラムを展開している。スーダンのダルフール地域では、2013年2月、ジェベル・アミール周辺で発生した抗争を受け、スーダン保健担当局との協力のもと、北ダルフール州のアル・シレアフ病院で負傷者の治療にあたった。

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