南スーダン:国境の紛争地域を避難した2万人が孤立状態に

2013年07月10日掲載

スーダンとの国境紛争地域における暴力的な状況から避難した2万人以上の人びとが、南スーダン北バハル・エル・ガザル州でごくわずかな援助しか受けられずにいる。食糧と飲用水が不足し、避難キャンプの滞在環境も劣悪だ。国境なき医師団(MSF)は複数のチームで緊急対応を開始。援助対象の2万人は、この1年間にやって来た人びとだが、当地が遠隔地であることに加え、また、国内避難民・難民・帰還者のいずれと見なすべきかがはっきりしないため、最低限の人道援助しか受けられていない。

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身分に関わらず緊急の援助を

南スーダン北バハル・エル・ガザル州の避難キャンプに
身を寄せる人びと(2013年7月撮影)

南部スーダンにおける住民投票、そしてちょうど2年前の独立宣言に至るプロセスの当初から、大勢が社会・経済・治安という複合的な理由でこの地域まで引き上げてきた。しかし、この数ヵ月は、主に国境紛争地域のバハル・アル=アラブ川(地元ではキール川とも呼ばれる)沿いの暴力的状況を逃れた人びとが一斉に到着している。

北バハル・エル・ガザル州におけるMSFのプログラム責任者、ショーン・ラミスは、 「人びとの身分が確定しづらく、各人道援助団体は、どのような援助を提供すべきか考えあぐねています。ですが、MSFにとっては、帰還者でも、国内避難民でも、難民でも違いはありません」と話す。

避難した人びとが加わったことで、現地の人口はほぼ倍増。大半が、北バハル・エル・ガザル州内の孤立地域に散らばる11ヵ所の仮設キャンプに滞在中だが、地元住民に受け入れられた人もいる。特定の滞在場所が割り当てられず、移動を繰り返さざるを得なかった人も多い。

MSFが2013年2月に初めて現地入りした時点では、やぶの中で過ごしている人が多数いた。大勢の避難者が、この地域に到着する中、ニーズに応える支援はごくわずかに留まっている。

MSFは、避難者と受け入れ側の双方を援助。移動診療を立ち上げるとともに、地元の医療従事者のチームに、現地で最も死亡例の多い下痢、マラリア、栄養失調への対処を教えている。また、パマト近郊では、5歳未満児と妊婦を対象に基礎医療を提供する診療所を運営中だ。

「住んでいたキール河畔の町では、好きなだけ耕作ができました。しかし、ここでは糊口をしのぐのみです」。アジョク・ウォル避難キャンプに滞在する部族のリーダー、アンシリオ・アコンはそう話す。雨季も近いが、雨よけのためのビニールシートもほとんど手に入らない。

MSFは、現在の南スーダン共和国を構成する地域で1983年から継続的に活動。現在、全国10州のうち6州で、大集団の避難、大勢の難民の一斉到着、深刻な栄養問題、マラリアやカラアザール(内臓リーシュマニア症)をはじめとする病気の流行ピークといった緊急事態に対応している。また、基礎・専門医療活動も提供中だ。

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