C型肝炎薬:中国がギリアド社の特許申請を却下――MSF、見解を発表

2015年06月22日掲載

中国特許庁は、米国ギリアド・サイエンシズ社が申し立てていたC型肝炎治療薬「ソホスブビル」の要となる特許申請を却下した。ソホスブビルとその他の抗ウイルス薬との併用は、従来よりも効果のあるC型肝炎の新たな治療法のひとつだが、多くの国で法外な価格が設定され、必要な人の手には届いていない。C型肝炎は患者1億5000万人超、合併症による年間死者数35万~50万人という、国際保健上の危機的事案となっている。

中国でのジェネリック薬生産に拍車

今回の特許申請却下は、米国に拠点を置く非営利組織「Initiative for Medicines, Access & Knowledge(I-MAK)」の付与前異議申し立てによるもの。ソホスブビルの特許申請には、インド、アルゼンチン、ウクライナ、ロシア、ブラジル、欧州特許庁などでも各方面から数多くの異議が申し立てられてきた。同薬の要となる特許の申請はこれまでにエジプトとインドで棄却されている。

中国は、あらゆる薬剤の原薬(API)、つまり薬の原料の生産量において世界随一の国だ。しかし、特許が壁となり、ソホスブビルの主要原薬の使用には限度があった。中国による薬・ワクチンの最終製品生産能力が拡大を続ける中、今回のソホスブビルの二次特許却下という判断は、同薬のジェネリック薬(後発医薬品)が早期に中国市場に登場する可能性が高まったことを意味する。

MSFは間もなくC型肝炎治療の拡大に着手し、9ヵ国に広げる計画だ。現在はパキスタンの治療活動でソホスブビルを使用している。

MSFの見解

「中国でソホスブビルの重要な特許申請が却下されたことは、同薬の特許可能性が大変疑わしいことを示すものであり、同様の特許申請を審査中の国々にとっては強力な先例となるでしょう。中国はソホスブビルの原薬・最終製品のいずれについても重要な供給者になり得ます。中国メーカーの参入で活性化した市場競争がソホスブビルの価格を押し下げれば、やがて、より多くの人の手に届くでしょう。ギリアド社がソホスブビルの特許取得を目指す国々にも、この動向を注視していただきたいと思います」

――ロヒト・マルパニ(MSF必須医薬品 キャンペーン政策分析ディレクター)

「C型肝炎患者には朗報です。今回の事例が発端となり、開発途上国でソホスブビルの低価格版に手の届く人が増えるよう願っています。今のところ、富裕国でも貧困国でも、この治療薬を必要とする人びとが、ギリアド社の法外な価格設定に入手を阻まれています。誰も費用をまかなえないようなC型肝炎治療では、誰の助けにもなりません」

――ジェニファー・コーン(医師/MSF必須医薬品 キャンペーン医療ディレクター)

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