キルギス:一触即発の緊張が続く南部 公平な医療ケアの実現を

2010年07月21日掲載

キルギス南部オシ市、破壊された家の前に立つ女性

キルギス南部での暴動発生から5週間が経過し、現地の治安は平時の落ち着きを取り戻しつつある。一方で、今でもオシ市では、一部の医療施設内やその近辺に武装勢力が存在していることから、ウズベク系住民の居住地域から来た患者たちの多くは逮捕を恐れ、病院に行くことができない。現在、国境なき医師団(MSF)は、移動診療や連携している医療施設において、激しい殴打や拷問を受けた被害者の治療をしており、全ての患者が迫害に遭うことなく適切な治療を受けられるよう、紛争当事者と政府関係者に訴えている。

現在、ウズベク系住民とキルギス系住民の間には、恐怖と深い不信感が募っている。
MSFのオペレーション・ディレクター、ブルーノ・ヨッフムは語る。
「一触即発の緊張が続くなか、MSFは全ての関係当局に医療施設の中立性を尊重するように訴えます。医療を必要とする全ての患者には、その出身を問われることなく適切な治療を受ける権利があります」

暴動の発生以降、オシ市とジャララバート市の内外では、MSFの4つの移動診療チームが1400件の診察を行った。MSFは25ヵ所の医療施設を支援するため、医薬品と医療機器も無償で提供している。6月に発生した暴動でトラウマにさらされた多くの人びとは、今でも深い衝撃に苦しんでいる。現在、MSFは心理ケアの提供に力を注いでいる。

MSFは2006年から、キルギスの刑務所や拘置所で多剤耐性結核を含めた結核治療プログラムを運営している。現在、19人の海外派遣スタッフと現地スタッフ26人の計45人が、キルギス南部で暴動被害者への緊急援助プログラムを運営している。

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