イラン:緊急地震支援

2003年12月28日掲載

イランで発生した地震を受け、国境なき医師団(MSF)の医療チームは、莫大な援助の必要性に応えるため被災地バムでの活動を開始し、また追加チームの派遣を進めている。

26日、バムから東300キロに位置するイラン・ザヘダンで活動をしていた医師2人、看護師1人、財務・人材担当者1人、及び運転手1人からなるMSFの医療チームは、イランの赤新月社とともに被災地に入り、被害状況の緊急調査を行った。このチームは救急治療物資を持ち込み、現地で医療活動を行っている。

28日には、追加チームの4人(医療者および物資調達担当)がバムに入る。さらにベルギーから1チーム(ネフロロジスト(腎臓専門医)3人、医療コーディネーター1人、物資調達担当者1人)、そしてスペインからも1チーム(医師1人、物資調達担当者1人)が追加派遣され、28日中には到着する予定である。

10トンの追加物資(医薬品、緊急物資、浄水装置及び5000個の石油缶)が27日にボルドーのロジスティックセンターから貨物機で送られた。テヘランとバグダッドに確保されていた医療物資(40立方メートルの医療・緊急物資、外科手術用物資、6000個の衛生キット、19000枚の毛布)はすでにバムに向けて運ばれている。さらに追加で26000枚の毛布が28日朝、ドバイから現地に空輸される。

罹災により生じた援助の必要性は高い。人口11万人の街はほぼ壊滅状態となっており、2つの病院も倒壊し、瓦礫の下敷きとなった多くの遺体が運び出される作業が続いている。地震後に設置された2ヵ所の仮設医療施設は患者であふれかえり、水、電気、医薬品がない状態にある。バムの空港には野営の診療所が設けられ、負傷者のケルマン、イスパシャン、ザヘダン、及びバンダル・アッバスへの搬送に当っている。

バムに入った最初のチームはこの2ヵ所の仮設医療施設での援助に参加をしており、3人のネフロロジストは到着次第、ケルマンの地元病院で「クラッシュ・シンドローム」(※)の治療にあたる予定となっている。そのほかのチームは人口約25万の被災地周辺の村々を回り、負傷者の治療にあたる。被害者の数は現時点では特定できず、10万人を越す可能性もある。夜間零下まで気温が下がる現地では、テント、毛布及び飲料水がもっとも必要とされている。

MSFはイランのマシャードとザヘダンでアフガニスタン難民の援助活動を1995年から継続して行っており、1990年のイラン地震の際も救援活動に参加している。

  • 地震の際に外傷を受けた患者が、急性腎不全に陥って死亡する例が多くある。「クラッシュ・シンドローム」と呼ばれる症状(身体内部の損傷により筋肉組織が傷つけられて、大量の毒素が血流に放出される)で腎不全が引き起こされるためである。治療を受けなければ死に至る可能性がある。

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