バーレーン:政治改革の影で、医療へのアクセスに懸念

2012年04月13日掲載

バーレーンでは昨年から国内で高まる民主化運動を受けて政治改革が進む一方で、公立病院での差別やハラスメント、虐待などにより、相当数に上る患者が医療施設に行くことが出来ずにいる。国境なき医師団(MSF)では、入手した情報をもとにこの現状を訴える。

この情報によると、民主化運動の際に負傷し、整形外科処置を必要とする外傷や皮膚損傷、呼吸困難などの症状を持つ相当数の患者が、公共病院での逮捕を恐れ、最後の手段として私立病院を訪れている。バーレーン独立調査委員会の推奨により政府が政治改革を進める一方で、医療ケアを求める患者の間では医療施設に対する恐怖が続いている。

MSFベルギー事務局のオペレーション・ディレクター、バート・ジャンセンは話す。 「元来高い水準を持つバーレーンの医療システムは、昨年からの政治不安の対応に追われています。MSFが当初開始した援助活動は2011年7月に終了しましたが、2012年3月まで国内に残っていたMSFのチームは、昨年夏から数百人に上る患者が公立病院に行くことを恐れている状況を把握しています」

2012年3月初旬、MSFのスタッフはバーレーン国内への入国を拒否され、MSFは国内での活動の停止を余儀なくされた。MSFは、バーレーン国内の病院や医療施設の医療関係者と対話の場を持つことを希望している。さらに、MSFは国内の医療施設で医療スタッフや患者、警備担当者が一般的な医療倫理と人道的倫理に基づいて行動していることを実証するために、適切な医療施設まで患者に付き添う用意もある。

MSFはバーレーンで民主化運動が始まった後の2011年3月から、国内で暴力の影響を受けた人びとに向けた援助活動を開始した。以降、MSFはバーレーン当局と対話の機会を求めている。MSFはこれまでに国内での大規模な負傷者の発生時の対処法や、心理ケアに関する対応法の指導を、国内の医療スタッフに実施するなどの医療支援を行った。

この1年でMSFはバーレーン保健省に複数の提案を行ったが、返答が得られていない。MSFは今一度、患者の政治的・宗教的信条に関わらず医療ケアを必要とする全ての患者のために、バーレーン国内での活動の認可を要求する。MSFはバーレーン保健省との建設的な話し合いをいつでも開始できる状態である。

ジャンセンは話す。「バーレーン国内の公共医療施設が患者に公平でないと見られている中で、患者の信頼を回復しようというバーレーン保健当局の尽力を、MSFが後押しできると確信しています」

MSFのバーレーンでの活動は、中立・公平・独立な医療援助を実施するという団体の活動原則に基づいて行われている。

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