エボラ出血熱:流行地コンゴ民主共和国で終息宣言

2018年07月25日掲載

コンゴ民主共和国(以下、コンゴ)の保健省は7月24日、今年5月以降続いていたエボラ出血熱の流行が終息したと宣言した。エボラ出血熱は、新規感染例がウイルスの潜伏期間の2倍にあたる42日間報告されなかった場合に、終息したとみなされる。国境なき医師団(MSF)は、終息宣言を歓迎するとともに、コンゴの他地域で、エボラ以外の病気流行の対応を継続、またエボラ治療の候補薬に関する研究活動も続けていく。 

赤道州イボコでエボラ感染疑い患者のもとに向かうMSFのスタッフと村の子どもたち(2018年5月6日撮影)赤道州イボコでエボラ感染疑い患者のもとに向かうMSFのスタッフと村の子どもたち(2018年5月6日撮影)

予防接種と国際的連携がエボラ流行の封じ込めに寄与

MSFは5月から7月半ばにかけて流行の発生源となった赤道州に経験豊富なスタッフを多数派遣し、緊急援助を進めた。コンゴ保健省とともに、州都ムバンダカをはじめ、ビコロ、イティポ、イボコで患者の隔離と地域での健康教育活動、疫学的サーベイランス(調査・監視)と安全な埋葬にあたった。流行の期間中、38人がエボラウイルスへの感染が確定し治療を受けたが、保健省の発表によるとそのうち17人が死亡した。その他エボラに似た症状が出た120人の患者は隔離後検査を受けて、エボラウイルスへの陰性反応が出た後退院した。

今回の流行では、MSFはコンゴ保健省と世界保健機関(WHO)と共同で、治験用エボラワクチン「rVSVDG-ZEBOV-GP」を使用し、合計3199人に予防接種を行い、ウイルスのまん延を防いだ。MSF単独では、ウイルス感染のハイリスク群とみられたビコロとイティポ地域の約1673人に対して予防接種を実施。エボラ確定患者と接触した人をはじめ、医療従事者、埋葬従事者、伝統的治療師、バイクタクシーの運転手など、患者と接触する可能性のある人びとが対象となった。

MSFの医療ディレクターを務めるミカエラ・セラフィーニは、「エボラ流行の終息を歓迎します。今回は予防接種に加えて、国際的なチームが連携をとって迅速に農村部でもアウトリーチ活動(※)を行ったことが、感染拡大阻止に効果を発揮したと言えるでしょう。予防接種に関したデータは解析中ですが、流行対策への追加的措置として適していると考えます。今回のエボラ封じ込めに投じられた資金や人材が、コンゴの保健医療体制を強化し、将来によい影響を及ぼしていくことを願っています。MSFは引き続き、コンゴの他地域で、はしかやコレラなどエボラ以外の病気の流行に対応していくとともに、エボラ治療の候補薬に関する研究も併せて行うことで、将来新たな流行が起きた際、患者に最善の治療選択肢を用意できるようにしたいと考えています」と述べている。 

  • 医療援助を必要としている人びとを見つけ出し、診察や治療を行う活動

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